ドリーム小説

だいすき  〜アニス&イオン〜









「ねえ、アニス」

道中、目の前でぴょこぴょこと揺れていたツインテール。
ふわふわとしたそれは気持ちがよさそうで、思わず声をかける。

「なあに?

きょとん、と年相応な反応を見せて振り返るアニスはとてもかわいくて。

「ぎゅう、ってしてもいい?」

アニスからの返事が返ってくる前に、その体に手を伸ばして引き寄せる。
子供特有の甘いにおいと柔らかな体に、歩くことに疲れてきていた体が癒されるのを感じて。

!もうっ、五分10ガルドだからね!!」

小さな、といっても私とさほど変わらない身長が腕の中でもごもごと叫ぶ。
わかったわかったと返しながらアニスをやさしく閉じ込める。

「楽しそうですね」

ぎゅうぎゅうと抱きしめていれば小さなつぶやきが聞こえてきて。
そちらに顔を向ければ、ふんわり、それはそれは綺麗に微笑むイオンの姿。
どことなくうらやましそうな雰囲気を漂わせる彼をじいっと見つめ返す。

「イーオン」

呼べば不思議そうに首をかしげる。
にんまりと笑い返して手招き。

「おいで〜」

ぱあっと明るくなった表情。
パタパタと音を立てて走り寄ってくるイオン。
くるり、腕の中のアニスを反転させてイオンと向き合わせて。

「え?イオン様??」

イオンと私でアニスを挟むように抱きしめた。
腕の中、柔らかなぬくもり。
慌てる姿が愛しくて、イオンの笑顔がうれしくて。

「イオン、アニス」

名前を呼べば無垢な瞳がこちらを映す。

「だあいすき」

言葉を告げる。
アニスは驚いたように瞳を見開いて、視線をさまよわせて。
そして、とてもきれいに笑った。
イオンは目を細めて、恥ずかしそうにうつむいて。
そして、とてもうれしそうに微笑んだ。
ぎゅう、ともう一度二人にしがみついて、抱きしめる。

「助けるからね、絶対に」

聞こえないくらい小さな声で、二人に誓った。














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