兵太夫
なんって、将来が怖い一年生だ・・・
私がこの子を見て思ったのはその言葉。
さらりとした色素の薄い髪が肩に触れ揺れる。
ぱっつりとした前髪がその知性的な瞳をさらに際立たせて。
そんな美しい姿に似合わずからくりやらなんやらが好きなんだそうだ。
そしてそう言うだけあってその手のことにとても詳しい。
それだけに関してはわたしらくのたま以上ではないだろうか。
罠に落ちた(主に保健委員だったが。)彼らをみて、にんまりと恍惚とした表情を浮かべたその子に
背筋がぞっとした。
あの作法委員会に所属してるだけある。
六年生のあの先輩にじっくり似てきたのではないだろうか。
将来の姿が垣間見えるようだ。
そして今でこそ可愛いでくくられるその顔は、成長するにつれて今の委員長にも劣らぬものになるに違いない。
相も変わらず楽しげなその笑みに。
予感がした。
将来、成長したこの子に。
私はいずれ落とされるだろう。
それは確信にも似たもの。
ああ、近づかせてはならない。
私が陥落してしまう前に
遠ざけなければ
(それが私を、自分を守ることになるのだと信じて)