平太


びっくり、した・・・

木の上からぼおっと委員会を眺めていただけなのに。

まさか気がつかれると思わなかった。

それもまだ入学して日が浅い水色に。

偶然だと思いたかったが、そう思うには彼の視線が的確すぎて。

その目に浮かぶ色がうろんげで。

しっかりとこちらを見据えたその瞳が静かに告げたのだ。

邪魔をしないでください、と

彼以外で気がついていた最高学年はこちらを知らぬふりで通す。

もう一人はこちらを必要ないものとして始めからないものとして無視をしていたのに。

今、この年齢でそのような力を持つということは将来どのようになるのだろうか。

ぞくん

背筋が恐ろしいと訴えると同時に

快楽が生まれる。

ぜひともその成長を目の当たりにしたいものだ。

そしてその瞳に自分を映し、そうして悔しさに身悶えさせてみたいものだ。

それはなんて楽しそうなのか。

決めた、決めた。

あの子にしよう。

これから先、卒業するまでの標的。

私が飽きるまでの暇つぶし。

さあ、手はじめは何がいい?

毒入り団子?

落とし穴?

それともまだ早いかな?色落とし?


ああなんて楽しそう。




(怨め恨め私を怨め。そうして生きる糧とせよ。)