怪士丸



あれは一年生だな

ころころころころ

小さな水色はいまだなお闇を知らず光を追って生きている。

否、知らないわけではないだろうがまだ気づかぬふりを決めている。

特には組における少年たちは様々なことを体験した分強い心を持ち、闇に対抗するすべを知っている。

だが、私にとって一番怖いのはろ組の生徒。

気配に敏感で同時に気配を消すのが大変うまい。

幾度か気づくことなく後ろに立っていた時などは驚いたものだ。

それが成長すればどのようになるのか。

味方であれば心強いそれは、敵となれば厄介で。



さてさて、私は将来この学園の生徒たち、何人と敵対するのだろうかね。


今考えてもしょうがないことを考えながら再び水色を追う。

おや、かちり、目線があった。

気配を消してはいなかったが遠めだというのによく気づいたものだ。

くつり、のどを鳴らして。

私は今日も学園内を観察する。


近い将来敵になりうる彼らを少しでも知るために。




(私がここに来たのは慣れ合うためでなく、ただ、生き残るためだ)