三反田数馬


罠にかかった後輩をじいっと見つめる。

あはははと軽い笑いを洩らしながらぶらりぶらり木からぶらさがるのをじいっと見つめる。

「ええ、と」

こんなに簡単でわかりやすい罠だったのに、どうして引っ掛かったのかなあ。

「よければ、降ろしてくれないかなあ…?」

こんなにあっさりとかかられてしまったら逆に拍子抜けしちゃうんだけどなあ。

「もしもし・・・?」

せっかく仕掛けて改善点を見つけて、そうしてようやっと実行するつもりだったというのに。

「あの〜・・・」

つまらないわ。

じいっとそのふわふわした綺麗な髪を見つめる。

なんだか羨ましい髪ねえ。

綺麗で美しくて。

私なんかとはおお違い。

ずるっこい人ねえ

忍たまのくせに。

ふわりひらり

あら、ちょうちょ。

目の端をよぎった美しい色を追うように歩みを始めた。

「え、ちょっと、このままですか?!」

上から掛かる声を無視して


(私の中ではあなたよろちょうちょのほうが大事なの)