きさんた
そんないたいけな瞳で見つめられたら罪悪感が生まれるではないか。
じっと見上げてくるその瞳は未だ濁ることはなく。
世界のきれいさをまだ信じていたかったころのようだ。
自分の過去を見ているようで、嫌悪感が生まれる。
目の前に出した菓子をさっさととってくれ。
でなければ私は先に進めないではないか。
実習なのだよ。
忍たまに渡せ、
毒入りを。
これはくのいちのためだけじゃなくお前ら忍たまのためでもあるのだ。
渡されたものを疑え。
毒に耐性をつけろ。
感謝してほしいほどだ。
「本当にもらってもいいんですかあ?」
当たり前だ、そうじゃなきゃ差し出したりしない。
まあ、突然知らないくのいちからやる、と差し出されて疑うのはいいことだが。
もらってくれなければ私が先に進めない。
いらりとした感情を押し込めて。
まあ、そんなこと笑顔に隠してしまえばばれはしない。
さあ、はやく
うけとれ。
嬉しそうに走って言ったその背を見ながら願う
(どうか、その純粋さが残ってほしい、なんてばかげたこと)