不破雷蔵
ふわありふわあり
その名前のとおりふわふわとあなたは笑うの。
それは私を見ても同じように。
女だからと嫌うわけでもなく
くのいちだからと剣呑にするわけでもなく
ただわらうの
仕方がないなあってこの世の中のすべてのものを愛するみたいに。
ねえ、そんなのでは壊れてしまいます。
そんなのではあなたは壊れてしまいます。
この世界の汚いものをしようがないものをたくさんたくさん知っているのに
それなのに、ねえ、どうしてあなたはそんなにも綺麗に笑うのですか?
笑って笑って笑って
その裏であなたはなくこともせず淡々と事をなす。
私は知りません。
あなたの笑みの裏にある顔を。
だって、私がいつも見るあなたは笑顔しかないのですもの。
ふわりふわり
あなたは今日も
ふわふわ微笑んで
世界中の闇をその身に隠して
そうして
(まるで笑みが自分を守る鎧のよう)