黒木庄左エ門


おかしな先輩たち!
どうしてどうして?
私たちはくのいちになるのだから、男の子たちと、忍たまたちと仲良くしてはいけません?
なあに、それ!
私はくのいちの卵の前に女の子なの!
少しくらいかっこいいなあって思ったことお話したいわ!

「庄左エ門くん」

名前を呼んで近づいていけばちらり向く視線。
ああ、相変わらず素敵ですその表情!

入学してそんなに立ってるわけじゃないけれど、私は彼が大好き!

「なに?」

こてり首を傾げる様までかっこいい!

「僕これ持ってかなきゃいけないんだよね?手短いにおねがい。」

そういわれて彼の手元を見れば何枚もの書類。
学級委員である彼はこう言う風にいろんなことを任される。

ああ、頼りがいのある男の人って素敵!!

「よかったら、手伝うよ!」

そう言って手を差し出せば困ったような顔。

それすら素敵に見えるのは恋の魔力とかだろうか。

「女の子にそんなことさせられないよ。」

ああ、なんて素敵!

なのになのに


「それとも、手伝うふりして意地悪、するのかな?」

ささやかれた言葉に背筋が凍った。
そんなことしないと言ったところで伝わりはしないのだろう。

去っていく彼の背に何を言うこともできずに私はただ立ち尽くした

ひどいひどい、私はそんなことしないのに、



(愛情と憎しみは紙一重、ってよく言いますものね)








((まだまだ何もわかっていない幼さから