平滝夜叉丸




傲慢で自らを驕る。

口を開けばごろごろと溢れだすのは自らへの賛辞。

見目麗しい彼の人は、口を開かなければ素晴らしいのに

そう言われている、彼。


後輩たちが彼を見てこぼす言葉。

それは間違いじゃないけれど、正解でもない。


傲慢と言われても彼はそれにふさわしいだけの実力を誇り

驕り高ぶる姿勢とは逆に先行く方々の技を見て自らのものへと変えて

そして

見目麗しさを磨いているのは彼の努力のたまもの。

傷ついた手のひらを見せぬように笑みで隠して

必要以上に近づけさせぬよう言葉を使って権勢をかける。


それができる彼は、すごいものだと思う。


委員会でもあの暴君といわれる七松小平太相手に一歩も引かない姿勢を見せる。

思っていた以上に後輩想いのその姿にはなんだか笑いがこみ上げたものだが。


まあ、つらつらと彼に対する私の評価を述べたところで何が変わるということもないのだけれど


(一つ言えるとしたら、私はそんな彼を人として尊敬しているということくらいだ)