ドリーム小説
兄弟愛脱出へのカウントダウン
大好きなお兄ちゃん。
賢くて勉強ができて、何でも教えてくれる優しいお兄ちゃん。
私が入学したら一緒の寮で勉強して、いっぱい一緒の時間を過ごす___そのはずだったのに!
「レイブンクロー!」
世界は時折すごく残酷だ。
私が座る場所を空けて待っていてくれた双子は固まってる。
もちろん大好きなパーシーお兄ちゃんも。
「お、にいちゃあああんんん!!」
帽子を脱いだその瞬間、兄の元に向かって走り出す、が、
「君はレイブンクローでしょ?」
踏み出した足は宙をかく。
腹にかかる圧迫感。
「ぐえ、」
乙女にあるまじき声がでた。
ぐい、と体をひねれば、誰かが後ろから私のおなかに腕を回しているのがわかって。
「だれ!私とお兄ちゃんの再会を遮るのは誰!!」
ばたばたと宙に浮いた手足を暴れさせてみるけれど後ろの人物は微動だにしない。
「君と同じレイブンクローだよ。」
さら、っと返事を返してその人はくるり、私を抱えたまま後ろを向く。
そうすれば、大好きな兄の姿は見えなくなるわけで。
「まって、お兄ちゃんがみえなくなっちゃった!動いていいけど私はおいて動いてよ!」
べしべし、腹に回ったままの腕をたたくけれど、彼は動じることもなくスタスタと進んで。
「君の場所はこっち」
ぺい、っとばかりに放り出されたイスの上。
抗議しようと彼をみれば___
そこにあったのはおだやかなえみ。
「「「レイブンクローへようこそ!」」」
青色のネクタイをしたすてきな先輩達が、にこやかに声をかけてくれて。
「ウィーズリー家の長女です」
たどたどしく伝えた名前に言葉に、先輩達はとても優しく返してくれて。
「レイブンクローもいいところだから」
「好きになってほしいんだ」
そんな言葉を投げかけられれば、イヤだ、なんて言えるわけなくて。
「いい?君はもう今からレイブンクロー生だよ」
私の腹にひどい仕打ちをしたその少年は、私の横に座って、こんこんと言葉を紡ぐ。
「覚えの悪そうなその頭にしっかり詰め込んでおいてよね」
非常に頭にくる言い方をしてくるけれど、目の前に差し出される甘味の数々に今ちょっと反応どころじゃない。
「これがおすすめ」
「これもおいしいよ」
きらきら光る宝石みたいな甘いもの。
届かないところのものだって、皆が私に届けてくれて。
あ___うん。
お兄ちゃんと離れちゃったのはすごく悲しいけれど___
こんな優しい人がたくさんの寮なら、頑張れる気がする。
ごめんなさい、お兄ちゃん。
私今日からレイブンクロー生になります!
※※※
こっからブラコン脱出
レイブンクローの男子生徒はさりげなくイケメンだと思う。
スリザリン→気高い感じのイケメン
レイブン→冷たくみえて不器用な優しいイケメン
ハッフル→優しいイケメン
グリフィン→お調子者なイケメン
※※※
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