ドリーム小説



これがわたしのいきるみち














どうしよう、眉を寄せてそういう妹に笑ってみせる、

「大丈夫よ、ジニー。あなたはどうみてもグリフィンドールよ」

私とは、違って。

言葉の裏に隠された意味を、まだ理解しない幼い子。

私の言葉に妹は少しだけ安心したように表情をゆるめて。


「でも、お姉ちゃんみたいな例もあるでしょ?」

びしり、心臓がいびつに音を立てる。

控えめに、椅子に座る私をのぞき込むように、妹は問う。

ああ、なんてバカな子。

それを、直接、私にいう?

ウィーズリー家で唯一、グリフィンドールになれなかった、この私に?

ああ、でも、そうね。

そういうところも全部、あなたはグリフインだわ。

決して私とは相いれない子。

「私はね、どこでもいいって思ってたのよ。帽子はそれを感じ取って私にふさわしい寮にいれてくれたのよ」

それは、嘘。

必死にお願いした。

仲間外れはいやだったから、グリフィンドールがいいって。

話を聞く限り、まったくもって私は彼の寮に向いていないとわかってはいたけれど!

それでも、願えばかなうと言われていたから。

だから、必死にお願いしたの。

___帽子は私なんかの願いを聞き入れたりしなかったけれど。

あっさりと、その口からもたらされたのは望んだ寮以外のところ。


さらに言えば、彼の寮と、敵対関係にある、寮。


ざわりとしたのは兄弟だけじゃなく。

広間全体がざわめいて。


「ウィーズリーがグリフィンドールじゃない?」

「しかもスリザリン?!」


それを言いたかったのは私の方だというのに。

周りがざわつくものだから、私にできることなんてなにもなく。


「ようこそ、歓迎しよう。」


その言葉とは裏腹に瞳の奥には険悪な光。

差し出された手のひらはひどく冷たくて。



___でも、今思えばこの寮分けは納得だった。

だって、私の思考はどう頑張ってもスリザリンよりだったから。

入った当初、険悪な雰囲気だった私とスリザリンは、気づけば居心地のよい場所に。

グリフィンドールの生徒の考えはバカらしく感じて。



「大丈夫よ」

もう一度繰り返す。

目の前にいる、最愛の、妹に。


「帽子はちゃんと、あなたに見合う寮を選んでくれるから」


私とは違って素直で、勇敢で、強くて、バカみたいに正直な子。


大丈夫よ、あなたは兄たちと同じ寮に進むのよ。

そう、それこそ、私にスリザリンを進めたように、ね。






※※※
ウィーズリー家の異端児みたいな異名がついてそう
まあたぶん兄弟仲はよくも悪くも、みたいな







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