ドリーム小説
16
「・・・・・・」
無言で足を進めるドラコ。
それに続く獅子寮三人は、目配せをする。
「・・・やっぱりショックなのかしら。姉が父親と同じ年くらいの人と思い合ってるとか」
「その相手がスネイプだとか?」
「いや、ただたんに姉をとられてすねてるだけだろう。」
ハーマイオニー、ロン、ハリーの順番にこぼされた話。
すぐ前を歩くドラコにそれが聞こえないはずもなく。
「うるさいぞ、三人とも。」
むすりとしたまま言葉が放たれる。
「ドラコ。」
ハーマイオニーの声に仕方がなさそうにドラコは動きを止める。
女性が話しかけてきたらちゃんと相手をみて返事をする。
そういうところは本当に紳士である。
「・・・なんだ、ハーマイオニー。」
「、幸せそうだったわね。」
其れに対してため息が一つ。
「・・・わかってる。姉上はずっと教授のことを好いていたからね。」
どちらも嫌いじゃないからこそ、悔しいのだろう。
仲間外れにされたようで。
「・・・いいさ、僕もすぐにいい人を見つけるから。」
ちらり、ハーマイオニーに目をやるドラコ。
「ふふ、きっとドラコならすぐね。」
ふわりとハーマイオニーは笑って答えて。
「じゃあ、ハーマイオニー、僕なんかどうだ?」
ハーマイオニーの手を取ってそっとひざまづいて、下からのぞき込むように視線を送る。
そうすれば、ハーマイオニーの顔はぶわり、と赤くなって。
「なにしてるんだよ、ドラコ!」
「ドラコ、ハーマイオニーを口説くのは後にしてくれ。先に学校に戻ろう。」
ロンが叫ぶのを遮ってハリーが告げれば、ドラコはあっさりとその手を放して。
「そうだな。じゃあ、すべてが終わってから、本腰入れて口説くとするよ。」
「ドラコ!!」
再び学校へと足を向けたドラコとハリー。
その後に続くのは叫ぶロンと顔を真っ赤にさせたハーマイオニー。
「ドラコ。」
「なんだ、ハリー。」
ちらり、後ろをのぞいて笑いながら二人は言葉を交わす。
「本当は僕たち疑ってたんだ、を。」
「まあ、そうだろうな。姉上はいつだって、僕と教授以外のためには動かなかったからな。だが・・・ハリーありがとう。」
ドラコからの感謝の言葉にハリーは首を傾げる。
「姉上は疑ったのに、僕のことは疑わなかった、だろう?」
いつだって、どこだって、どんな状況だって、常に信じると訴え続けたハリー。
ドラコにとってそれらの言葉がどんなに救いになったか、きっと彼は知らない。
「だって、友達だからな。」
何でもないように返される返事に、ドラコの頬がゆるむ。
「そうか、友達か。」
目を合わせて二人は笑いあった。
※※※
ドラコとハーマイオニーの組み合わせが好き
とりあえずこれにて終了
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