ドリーム小説



















唯一、私の唯一と言ってもいいほどの特技は魔法薬学だ。

だって、これは杖を必要としない。

呪文を求められはしない。

教科書に全て書いてある。



一人で無心に作業ができるから、好き。




「Ms,。授業後残りなさい。」




授業終わり、出来がったものを提出しにいけば名前を呼ばれて。

授業後とどまるように、との言葉。

何事かと思いながらも席へ座って皆がでていくのを待つ。


全員がでていくのをぼんやりと眺めていれば、ぬ、っと目の前に現れる我らが寮長。


、レポート提出の期限は昨日までだったのだが?お忘れかね?」


見下ろされる威圧感。

けれどももたらされた言葉に理解ができない。

「あれは、明後日までだったのでは・・・?」

記憶間違いかとそっと問えば、ため息。

「提出が速まった、と。監督生から聞かなかったのかね?」

序でもたらされた言葉に、かちり、思考が止まった。

そんなの知らないよ。

だって、だって、私はもうずうっと、誰とも話していないんだから。

口を開いて、閉じて、結局何もいえずに口を閉じる。

知っているはずなのに。

私がこの場所で孤立していることを、寮監徳のこの人が知らないはずないのに。


「・・・すみません。私には知らされなかったようです。」

視線を逸らしたままで続ける。

「今日中に仕上げて持ってきます。」

ぐ、っと力を入れて手のひらを握りしめる。

もう、いやだ、なあ。

失礼します。

立ち上がって足を進める。



部屋を出ようとすれば、後ろから呼び止められる。

「少しは交友関係を築け。」

こちらをみもせずに、その人は簡単に言う。

「簡単にできれば、苦労しませんよ。」

だから、私は笑って返す。


視線も向けないその人に。





ここは、なにも、受け入れてくれはしない。



















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