ドリーム小説
クィディッチのワールドカップで、闇のしるしが表れた。
友人に誘われて見てきた妹は興奮してそれらを親に語って。
違う、でしょう?
すごかった、びっくりした、そんな言葉だけじゃないでしょう?
これからどうなるかわからないのに、どうしてあなたは笑えるの。
魔法対抗試合
そんなもの、いらない。
大事な友人が、代表選手に選ばれて。
学校の中に知らない人たちが入り込んで。
知っていたはずの学校が、他校のように感じられて。
「一緒にダンスパーティに行こう?」
セドはそう誘ってくれた。
でもその瞬間、数日前の記事が甦った。
”ホグワーツ代表、セドリック・ディゴリーはグリフィンドールの東洋人と親密な関係!?”
同時に映っていたのはセドリックと、私と同じ色素をもった、私よりもずっとかわいい妹の写真。
妹が楽しげにセドに駆け寄って抱き着いて。
それを困ったように受け入れるセドの姿。
_大丈夫。僕は君から離れないから。_
あなたのあの言葉を信じられなくなった瞬間だった。
ごめんなさい。皆の前で踊る勇気なんてなくて。
そういって、自分を隠して。
あいまいに笑って、断った。
それなのに、同じ東洋人のチョウと踊る姿に、ひどく胸が痛くなって。
フレッドとジョージが一人でいる私を見て驚いた顔をした。
「セドリックが誘ったって聞いたから」
「僕らは君を誘えなかったのに!」
不満そうに顰められた眉。
社交辞令とでもいうやつだろう。
笑ってありがとうと返せば、非常に不満そうな顔。
ちなみに例の妹は、ハリーと楽しそうに踊っていた。
ドレスローブは彼女のすべてを引き立てて。
自分との違いを際立たせるよう。
苦しくなって、外に出れば、いつもとは少し違う黒いローブの教授。
そっと近づいてそばに立てばちらり、視線をくれて。
「いつもと違う格好は、やっぱり人を素敵に見せますね。」
にっこりと笑って告げればため息を落とされる。
「風邪をひくぞ。」
ふわり、薬の匂いと同時に肩にかけられたローブ。
驚いて彼を見れば、もうそこに姿はなくて。
セドリックのことでささくれ立っていた感情も
双子のせいで疲れ切っていた心臓も、すべてが一気に吹き飛んだ。
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