ドリーム小説







蒼の世界で生きる 戦場











赤髪の船にいたときは敵が来た瞬間すぐさま外に放り出された。


その気配のなさを使ってさっさと敵を倒して来いと。


何度もけがをして傷ついて、それでも身を守るためには刃をふるう方法しかわからなくて。





半年の間でそれが、普通、のことになってしまっていたんだ。




だから、頬に走った熱に


目の前で起こったように顔をゆがめる姿に


褒めてもらえるかというかすかな期待はあっけなく壊されて。




ただ、残ったのは痛みと喪失感。



いたわりの言葉ではなく、痛みを


褒める言葉ではなく、吐き捨てるように




それは思っていた以上に胸に響いて。







ナースが無言で手当てしてくれた頬を触りながら医務室を出る。


今現在寝室として使っている医務室のベッド。

お酒を贈ったその瞬間からどうやらナースを敵に回してしまったらしい私にとってその場所はひどく居心地が悪く。

さらには今日の戦闘によって多くはないが運び込まれた数人によってその場所は埋まってしまって。


今日はどこかで眠れるだろうか。


重要なはずのその問題は、しかしながら叩かれた頬の痛さには勝てず。

冷たい瞳が脳裏に浮かぶ。

マルコ隊長は私を見て確かにその瞳に嫌悪を浮かべて。

私に怒りを抱いて。


理由をわからないわけではない。


なぜあの部屋にいなかったのだと、一番言いたいのはそのことで。


勝手なことをするなと、あの瞳は告げていて






そして、お前のようなやつは、俺は知らないと


俺が知っているではないと、口では言われずともその瞳が、態度が、語っていて。






私の変化を受け入れてくれるものだと、何の理由もなく思っていた自分がとてつもなく恥ずかしい。


この船にいればいいと、おかえりと笑ってくれたのだからと、無条件で信じてしまった自分がどうしようもなく愚かで。



やはりこの船に自分はいるべきではなかったのではないかと、巡り巡って考えはそこにたどり着く。





相も変わらずこちらに視線が向けられることはなく。

いてもいないと同じ反応で。




この船に戻ってきたというのに、自分の居場所はどこにもないのだと、ようやっと気づいてしまったんだ。













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