ドリーム小説
蒼の世界で生きる
限界
イゾウ隊長率いる13番隊に遠征の指示が出たのは今朝のこと。
そして、それを告げられて数分後のことだった。
「は連れていかねえ」
その言葉を発せられたのは。
前みたいに足手まといではなくなったと。
戦闘にも参加できるようになったのだからと。
少しだけ期待していた。
彼女のように一緒に連れて行ってくれるのではないかと。
一緒においでと手を差し出してくれるものだと。
現実はそんなに甘くなどなかったのだけれども。
どうして、その言葉は音になることはなく、ただ彼らが船をでるのを見ていることしかできなくて。
おいて行かないで。
口にすればきっと、隊長は困ったように笑うのだろう。
すまないな、とくしゃりと頭を撫でて、それでもやさしくわたしを突き放すのだろう。
あまり安全ではないから、だからおいていかれるのだろう
自分はあまりにも力がないから。
危険だから、自分に言い聞かせて、そうやって、自分をだまして。
でも、もう、限界がきそうです。
サッチ隊長の料理が手伝えるほど器用ではない。
掃除に洗濯、できることは全部やった。
それでも、何かしなきゃ。
そう思って叩いたマルコ隊長の部屋。
叩かれた頬はもう腫れてはいない。
それでもあの日から会話を交わすことはできていなくて。
だけど、このままは嫌だから。
けれども開いた扉の向こう側。
甘い甘い香水の匂い。
扉を開けたきれいなナースのお姉さん。
そして眠たげな瞳をゆるり、こちらに向けて、
そして
「何しに来たんだよい」
鋭い言葉に
眼差しに
感じる怒りに
張りつめていた糸が、切れた。
頼っていいと、確かにそういってくれたのはあなただったのに。
居てもいいと、そういってくれたのはあなただったのに。
「ごめんなさい、お邪魔しました。」
震える声だけを残して、ただ、そこから逃げ出した。
もう、どうすればいいのか、本当に分からない
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