ドリーム小説
蒼の世界で生きる 自覚
「マルコ!みてねえか!?」
あの日、部屋から突き放すように追い出してから二日後。
明後日には目的にしていた島に着く。
苛立ちも落ち着き、逆にひどいことをしてしまったと後悔していた俺のもとにサッチが焦ったようにやってきて。
「見てねえが・・・またいねえのかい?」
「というより、二日前から食堂にきてねえ。」
二日前。
つまり俺がに接触したあの日。
そこから会っていない、それはどういうことか、考えなくてもわかることで。
浮かんだのは泣きそうに笑うあの表情。
「後、どこを探してねえんだ。」
立ち上がり部屋を飛び出す。
後ろからついてくるサッチに問いながら探すのはあの気配。
しかしながらそれはまるで俺を拒絶するかのように感じられず。
「一通りは探した。ほかのやつに聞きはしたがどうやら誰も見てねえらしい。あとは地下の倉庫ぐらいだが・・・」
「お前はもう一度今まで見たとこ見てこい。地下は俺が見てくるよい。」
了承の返事を背に受けて向かうのは先ほど話に出ていた地下。
必要なものをまとめてある倉庫には人の出入りが少なからずある。
不必要ながらくたもなんだかんだで詰め込んである倉庫にはほぼ出入りはない。
しかしながらの気配の薄さに関しては出入りがあるところでもわからないことのほうが多い。
あの存在が感知されないこと、今まではどこか優越感のようなものを感じていたが、今はそれどころではな、い・・・?
自分の思考に思わず足が止まった。
優越感って、なんだ。
あいつが誰にも見つからないというのはよくないことのはずだ。
自分で自分に問うが答えはどうやら出てこない。
だが俺が見つけて名前を読んだその瞬間、浮かぶ、その笑みは___
「・・・ああ、そういうことかよい・・・」
思わずため息をついた。
見えないということは、誰にも見られないということは、彼女の良さを知るのは数少ない人だけで。
見られないということは、彼女に及ぶ危険が少ないということで。
変わった彼女にいら立ちしか感じなかった。
言葉が達者になったことを喜んではやれなかった。
女でも戦うやつはたくさんいる。
それなのにに戦ってほしくないと、赤く染まるその姿を見たくないと望んでしまったその理由は
ただ、俺に守られるだけの存在であってほしかったということ
ただ、俺が育てていける存在であることを望んでしまっていた
俺だけが、いいところを知っていればあいつに懸想するやつなどいないと。
つまるところ、
俺がいないと生きていけないと、そんな存在であらせたかったということだ
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