ドリーム小説
蒼の世界で生きる 後悔
イゾウ視点
探しても見つからない姿に、嫌な予感はあった。
買うものはないからとすぐに戻る、その言葉を信じていて。
なかなか認識できないをほかの隊員たちが見つけるのは結構難しいらしく、姿を見たかと聞いても知らぬの返事ばかり。
まあおとなしく部屋かナースのところにいるだろう、そう思っていた。
梨湖が酒瓶を持っているのを見るまでは。
彼女が持っていた酒瓶。
それだけならば少々違和感を感じるくらいだった。
だがその酒瓶に描かれた文字。
おそらく彼女がメモでもしようと書いたのだろう。
つたない彼女の字で、酒の説明書きがしてあって。
つまりそれは彼女のもので。
は基本的に意思の疎通がしにくいのが原因か、なかなか人にものを頼んだりということをしない。
それを梨湖に渡しているその時点で嫌な予感はピークに達して。
おいてきてしまった。
その事実にやってしまったと、それだけが頭に浮かぶ。
初めて会ったあの島で、たった一人、おいて行かれた迷子。
どこから来たのかも、どこに行こうとしていたのかもわからぬまま。
言葉も文字も持たない迷い子。
せめてもっと円滑に意思の疎通ができるように。
それまでは共にあろうと思った。
だというのに。
簡単においてきてしまった。
あの広い島にたった一人。
梨湖とともにいたということは、自身傷ついているかもしれなくて。
「あの島まで行ってくる。しばらく船を頼んだよい。」
蒼い色を纏って不死鳥になったマルコがばさり、翼を瞬かせる。
「マルコ、頼んだ。」
それに答えるように一度頭上を旋回して蒼は空へと飛び立っていった。
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