ドリーム小説







蒼の世界で生きる  希望















空から降ってきた軍艦。


皆が皆、それに気を取られ思わず呆ける。


響く隊長を呼ぶ声に、驚くのは私だけではなく。



目の前の桃色が一瞬、私から目を離したその隙に、自分の気配を世界に紛らせる。


効くかどうかはわからなかったけれど、それでも、もう目の前の男は私から興味をなくしたようでもあったから。




軍艦から姿を現した多くの脱獄囚たち。


そしてそれを率いたのは、何度も手配書で顔を見た隊長の弟で。



クロコダイルが船長へと向けた刃をあっさりと防いだその麦わら帽子はそのまま船長と言葉を交わす。


その恐れることも委縮する様子もないその姿は、確かに隊長とよく似ていて。



助けに来たと叫ぶ麦わら。



来るなと叫んだ隊長。



お前みたいな弱虫に助けられるなんて、屈辱だと、







そこに込められた想いは、なんて、深い。




帰れ、とその言葉の中、潜む感情は、なんて強い。





俺は、弟だ




たった一言。


麦わら帽子が告げたその言葉は、騒がしい戦場に響き渡った。






家族を助けに来るのに、理由なんて、ない。







なんて、まっすぐで、愛しい感情。






思わず止まっていた足をまた、前へと踏み出した。





私が隊長を助けるのに、理由なんていらない。





だって、私にとっても大事な大事な兄なのだから。






何度も躓いて、そのたびにだれかの攻撃を受けそうになりながらも、向かうのは処刑台。





色んな人の手によって処刑台に近付いていく麦わら。


その集団に隠れるように寄り添って、ともに走り抜ける。




煙を纏う男


暴君くま


目の前に迫る鷹の目



それらを器用に潜り抜ける麦わら。








まるですべてのものに愛されているような、そんな姿。






隊長たちが合流し、切り開かれる道。


イゾウ隊長が私を認識して驚いた表情をしたけれども、それは一瞬で。




その口が小さく告げたのは、たった一言。





死ぬな。




それはこちらの言葉でもあるというのに。








「親父い―――!!」







響く悲鳴。


ざわめく戦場。


込められる怒り。





ゆめが、まじる。






思わず止まった足。


ゆっくりと振り向いた先、



そこには剣を構えるスクアードさん。


それを受け止めるのは、



「親父に刃向けるたあ、どういうことだ、スクアード」









生きている、サッチ隊長。














大丈夫、未来はまだ、終わってはいない































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