ドリーム小説
蒼の世界で生きる 侮辱
麦わら帽子の背を支えるようにして隊長は走る。
結局私を下してはくれず、重いだろうに抱えたままで。
そして、響く
「白髭は敗北者」
赤イヌの挑発。
大事な大切な家族の悪口をいったい誰が許せようか。
猪突猛進で、激情に燃えたぎる隊長であれば特に。
ゆるり、止まった足。
振り返るその表情は怒りにあふれて。
あれほど放してはくれなかった私からあっさりと手を放して。
そしてその瞬間、私は気配を消す。
きっと、今、この時しかできないこと。
私にしか、できないこと。
マグマに押し負けた隊長。
そしてその熱き刃が向かうのは、まだ幼い麦わら帽子。
その間に滑り込む
エース隊長、
そのさらに間に、
体を、すべり、こませて。
熱い塊が、心臓に叩き込まれたような気がした。
戻る