ドリーム小説







蒼の世界で生きる  決戦





その船に乗り込んで。

身を隠して数日。

全く持って気づかれる様子のないことに初めて感謝した。

そうしてとある日の昼。

甲板から聞こえてきた音に、声に、戦闘が起こっているのだと理解して。

ひときわ大きな声が挙がったその瞬間、決着はついたのだろう。

夜へと向かうその時間、身を潜めている部屋の前を興奮を見にまとった隊員たちが通っていく。


  サッチ隊長が___
 
  ___の実が

  能力__船_




 時がきた


宴で騒がしい船内を、人と接触しないように足を進める。



目指すのは四番隊隊長のところ。



あの人は皆でわいわいと飲むのが好きだったけれど、それでも考えごとがある時には部屋で一人でお酒を飲む人だったから。



そうしてたどり着いた、その部屋の前。

中から聞こえてくるのは二つの声。

愉しそうなその声は、サッチ隊長と、そして___


音を立ててあけた扉の向こう。

そこにはふりあげられた刃と体から赤を垂れ流すサッチ隊長で。


赤い赤い、色が、色が

まわる

めぐる


夢が、

うつつ、に、


「サッチ隊長!!!」


懐の短剣をかつての家族がふり上げた刃と交わらせて。

彼と、尋常ではない量の赤をまとうサッチ隊長との間に滑り込む。

はじきとばした刃は、それでも勢いのまま、私の肌をえぐれども、隊長に届くことはなく。


ゼハハハ、と特徴的な声で笑うその人は愉しそうに私を見て。

片手には赤い色を、そして悪魔の実を掲げる。


存在感がないだけで、戦闘力は人並みの私にできることはすでに、ない。

この船の古参クルーでもある彼に実力で勝てるとはとうてい思わず、できることと言えば、これ以上隊長が赤を流さずにすむように、身を持って守ることだけで。

笑い声が響く、痛みが走る。

それでも優しいこの人が、これ以上傷つかずにすむように。




あれは、まだ夢。



うつつにはなっていないのだから





あれが現実にならぬように、あれが夢のままであるように












「なあサッチ、マルコと三人で飲まねえかっ、て___っサッチ!?え、!?」


痛みに沈みそうになる意識の中、聞こえてきたのは兄であったはずの人の声。

ぐにゃりとゆがむ視界を必死にこじ開けて、その人にすがりつく。


お願い、サッチ隊長を助けて


言葉になったかわからない、それでも必死に訴えたそれ。

何があったと問われたそれにどう返したのかもわからず。



夢で見たこの後がどうかどうか訪れぬように

































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