蒼の世界で生きる　医者
















ジンベエと共に先を走るルフィその腕に抱えられたはぐったりとしたまま動くことはなく。




マルコが、サッチが、発する怒り。




それは俺も同様に抱いていて。






「今、俺らの船にはナースはいねえよい。」


「船医はいるが、生きてるかわからねえ。」



どうすれば一刻も早く助けることができるのか。


それを考える。






「俺は医者だ！」



響いた声。


それはいったい誰のものだったのか。



「北のルーキーだねい。・・・けど、使える。」


ぼそりと呟かれた言葉。


そのままマルコは不死鳥へと姿を変えてあろうことか俺の首飾りを足でひっかけやがった。


「弟！連れてその船に乗れよい！」


ルフィは告げられた言葉の通りその船へと飛び乗る。


それを支えるようにジンベエも。

もちろんルフィに抱えられたままのも一緒に。


ついでとばかりに俺も投げ込まれて。


振り返れば閉まっていく扉。



その向こう、追ってくる黄ザルをマルコが退けるのが見えた。








最後まで、あの場所にいたかった。




そんなことを思うほど馬鹿ではない。






それでも、最後まで親父を見ていたかった。






「おい、火拳屋！手伝え！」




その声に振り返ればルフィとジンベエが荒い息で床に倒れこんでいて。


はその声を発した奴、死の外科医の腕の中でぐったりとしていた。






「この船に乗ったからには、この場所で命を落とすことなんて、させはしない。」





その言葉は必ず助ける、その言葉と同様の色をしていた。




































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