ドリーム小説







蒼の世界で生きる  心配














俺を助けにきてくれたあの小さな妹は、虐げられてはいないだろうか。




ひどく重い体。


揺らぐ意識の中一番に浮かんだのはあのこのこと。



一番最後の記憶であのこは俺をかばうような動作を見せていた。


あのこは傷ついていないだろうか。



あの小さな腕で、小さな体で必死に俺をかばったあの温もり。


どうしてあの場所にいたのか、そんなことはどうでもよくて。



ただ、あの温もりがあんな場面だったというのにひどく安心してしまって。





そのまま今の今までの記憶は、ない。



「サ、ッチ・・・?」


ぼおっと天井を眺めていればふいに聞こえてきた声。

それはどう聞いてもあの一番隊隊長の堅物な奴の声で。


ゆっくりと起きあがってそちらを見れば驚きの中にひどく安心した、そんな色が見えていて。

「よ、マルコ。」

あがらない腕をあきらめて声だけで名前を呼べば、マルコの驚きの瞳はみるみるうちにいつもの半目に戻って。

「てめえ・・・いっつまでも暢気に眠りやがって!!」

ぎろり、いつもの鋭い瞳を久しぶりにみた気がして思わず笑いがこみ上げる。

それにますますマルコの機嫌は悪くなって。

「悪い悪い。なあ、俺、どれくらい寝てたんだ?・・・というか、いったいどうなった?」


まずは情報を得なければ、その想いから紡いだ言葉にマルコの瞳が真剣になる。

そのマルコの口が開いたその瞬間、音を立てて開いた扉。

そちらを見れば16番隊の隊員が焦った顔をしてたっていて。

「隊長、がっ!!」



何が起こっているのか、理解はできないまま、それでも動かない体もなにもかも気にしていられず、



ただ、体は動きだして。






16番隊の奴に先導されてたどり着いたのは地下に設置されている簡易牢で。

その場所にがいると言うことに瞬時怒りがこみ上げたが、それでもは一応部外者であるはずで。

けれども何よりも、開かれたままの扉の向こう、見えたのは船員たちに囲まれる小さな姿。

赤い色が見え隠れするそれに、思わず名を、叫んだ。



っ!!」



声が、響いて、小さく動いた彼女は、俺を見て、ふわり、きれいに、笑った。































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