ドリーム小説
あおいとりがわらう fin
_今日は大学の飲み会があるので遅くなります。ごめんなさい!晩ご飯は作ってあります。どうぞ食べてください。ちなみにデザートはショートケーキを作りました。_
大学での飲み会。
最近は不参加が多かったのだがマルコさんに気にせずにいってこい、とお言葉をいただいたため、久しぶりの参加だ。
ちなみに、マルコさんと、その、そういう、関係、に、なってから、初めて、晩ご飯を彼以外と、たべる、という状態だったりします。
「やっぱりちゃん、あの男とつきあうことになったんだ。」
レストランでマルコさんと一緒にいるところを目撃したサンジ君が、どこか落ち込みながら言葉を紡ぐ。
一応あの後にあったときにはつきあっていないと弁解していたのだが、結局この間おつきあいさせていただけることになったわけで。
「あの後うまくいったのよね。」
ナミがオレンジのお酒を飲みながらにまにまと笑う。
その顔はやめてほしいものだ。
「あら、ナミも知っている人なの?」
ロビンがワインを手に持ちながらきれいに首を傾げた。
「高級車もちのエリート部長。結構顔も悪くはなかったわね。」
「あら、会ってみたいわね。」
ふわり、女の私でも惚れたくなるような、そんな笑顔でロビンは笑う。
「わー!ロビン、やめてほしい!ロビンみたいなきれいな人みて、マルコさんがなびいちゃったらどうしたらいいの!?」
「あら、そんなに彼は信用ないのかしら?」
「う、そんなこと、ない、けど・・・」
ロビンの瞳が、とても優しく私をみるものだから、返事はゆるりと萎んでしまって。
「ん?マルコっていったか?」
「知ってるの?エースさん。」
もくもくと食べ続けていたルフィとエースさん。
マルコさんの名前に反応したのはエースさんで。
「ああ。マルコだろ?俺の仕事先の部長。兼元隣人。」
「あ!あのパイナップルのことか!」
ルフィもどうやら知っているようだ。
「え、ていうか、エースあなたそんな一流企業で働いてるの?!」
ナミが声を上げたのはエースがいいところで働いているということに対してで。
「。これおまえ好きだろう。」
いい募るナミをほのぼのと見つめていれば、どかり、横に座り込んだゾロ。
その手の上にはたくさんの料理が盛られた皿。
しかもなぜか私の好物ばかりだ。
「くれるの?」
問えばにやり、と笑みを返されて。
「もっとたくさん食って、色気付けねえとな。社会人だったら周りにいくらでもきれいな奴がいるだろうな。」
がんっ、と衝撃がはしる。
そうだ、うかうかしてたらきれいな人にマルコさんとられちゃう。
それはだめだ、だって、マルコさんはすごく格好よくて、すてきで、私なんかにもったいないひとなんだから。
マルコさんに似合うお、おとなのじょせい、にならなきゃ!!
「って本当にかわいいわ。」
「へ?」
「本当にマルコにベタぼれなんだな、おまえ。」
「え?」
「、さっきの言葉、全部口から漏れてるわよ。」
ロビン、エースさん、ナミ、三人に順に言葉を発せられて
。
その内容を理解した瞬間、体中に熱が走った。
「は、ずかしい・・・」
思わず机に突っ伏せば、くつり、横のゾロが笑う声。
「ゾロの意地悪。」
「虐めがいのあるおまえが悪い。」
ひどい言葉だ。
「」
改めて呼ばれた名前。
条件反射のように見上げれば、先ほどまで一言もはなさなかったローがそこにいて。
「お前が決めたことならば俺はなにも言うつもりはねえ。ただ、何かあったらすぐに言えばいい。」
ぽすり、頭に乗せられた暖かな手。
優しい笑みを浮かべるローがそこにいて。
「だが、泣かされることがあればすぐにでも引き離しにいってやるよ。」
優しく撫でてくれていたはずのローの手が、がしり、頭をつかむ。
見事なまでの力はもう、ただの嫌がらせだろう。
「い、いたい、ロー、ほんとにいたいんだけっど!」
「そうかそうか。俺は痛くねえからな。お望みならばもっと強くしてやるが?」
「ばっか!あんた本当にばか!いたっいたいいたいいたい!!」
「俺からの愛情をもっと過激に受け止めてくれていいんだぜ?」
どんどん力を増していくその手に抵抗などできず、声を上げ続けていれば、ふわり、突如消える衝撃。
何事かと思って振り向く前に、じわり、体に温もりが広がって。
「俺の彼女になにすんだよい?」
「はっ、お前はを束縛しすぎじゃねえのか?」
「っ、マルコさん?!」
あわてて顔を上げればそこには特徴的な髪型と長身。
かちあった目は、穏やかにゆるめられて。
「な、んでここに・・・?」
口からでたのは至極当然の質問。
それに返事をくれたのはマルコさんではなく。
「お!マルコ!来たんだな!」
満面の笑みのエースさんで。
「お前がの写真を送りつけてくるからだろうが。」
「へ?」
「かわいだろ?俺の弟の友人の写真。」
どうやらエースさんが先程みんなでとった集合写真をマルコさんに送ったようで。
見せられた写真には確かに先程の私たちが写っていて。
「俺のが狼たちにおそわれていないか心配でねい。」
ぐっ、とさらに縮められた距離。
ずくり、胸の奥が疼く。
俺の、と所有物宣言をされたけれど、それがまた心地よくて。
「あら、その子は私たちのものでもあるのよ?」
「あまりとらないでほしいわね。」
ふわり、声と同時に今度は柔らかさと甘い香水のにおいが広がる。
「そうだぞ、パイナップル。は俺の大事な仲間だからな。」
ずしり、今度は頭に重さが加わって。
にしし、と笑う声。
「あんまり独り占めしてくれるなよ?」
ぐ、っと隠された目元。
耳元でいつもの陽気な声ではなく、低く、響かせるような声色。
初めて聞くルフィの声に、少し驚いて、でも目隠しのとれた世界では、いつものように彼は笑っていて。
「、口開けろ。」
ゾロの声に反射的に口を開ければふわり、舌の上、広がる甘さ。
「コースのデザートだとよ。どうせもう帰るんだろ?これだけでも食べて帰れ。」
ついで皿ごと渡された甘味をもそもそとほおばる。
うん、ここのお店は本当、値段の割においしい。
「ちゃん。ついでにこれもって帰ってくれる?アップルパイ、作ったからぜひ。」
サンジの笑顔にもちろん、とうなずけば、ふわり、うれしそうな笑みを返されて。
「、いくよい。」
しかしながら手を捕まれ、引かれ、そのままお店の外へと足を向けることになれば、サンジたちにさよならをいうこともままならず。
「余裕ねえな。」
くつり、楽しげなローの声を最後に、マルコさんに手を引かれた私は店の外へと連れ出されていて。
「余裕なんか、あるわけねえだろい。」
小さな声でつぶやかれたそれが、なんだかとてもかわいく思えて。
「マルコさ、」
名前を呼ぼうとすれば、それよりも先に、ぎゅう、と抱きしめられて。
顔を上げれば唇をふさがれて。
「ふっ、」
小さく漏れた声にくつり、笑う声が返される。
「ま、俺以外見えないようにしてやるがねい。」
言葉とともになんどもなんども降ってくる唇。
ああ、もう、マルコさん。
私はもうあなたしか見えていないのに、それをあなたは理解していないみたいですね。
大好きなのに、大好きで、愛しくて、しかたがないのに。ほかの人たちなんて、めじゃないくらい、すき、なのに。
ぐ、っと今まで受け身だった体をマルコさんに押しつけて、唇をさらに重ね合わせて。
マルコさんを食べちゃうみたいに、きす、を・・・
「っ、はっ、んん・・・!?」
したかったけれど、それは見事に飲み込まれて、吸い込まれて。
「なんだい?積極的なのはもう終わりかい?かわいかったのにねい。」
くつり、一つも息をもらさないマルコさん。
まったく、この人はもう!
でも、少しだけ離れたからだが寂しく感じて。
「ああ、ちがうねい。家に、帰ったら、続き、してやるよい。」
私の心を読むように、マルコさんはとてもきれいに笑って、そういった。
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基本的に麦藁メンバーは友人。
NOT同級生
エースは飲み会を聞きつけるとどこからともなく現れる人物。食べ放題の時に大変重宝される。
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「あおいとりがわらう」完結です。
お付き合いありがとうございました。
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