ドリーム小説
「ちょ、何をっ__!」
「いいから黙ってろって。」
がたり、暴れるような音
響く女の人の声
ふらり、足を進めれば、そこには壁に押しつけられてもがく一人のナースさんの姿。
その人は、確かこの間船に乗ったばかりのナースさんで。
音を立てぬまま、男の後ろに回り込む。
そうすればナースさんが涙のたまった瞳で驚くのが見えて。
ふわり、笑って見せた。
「鉄拳制裁。」
てい、とばかりに男の首に首刀を落とす。
そうすれば声もなく男は崩れ落ちて。
力も戦闘力もないが、医者として人体のつぼや弱いところは心得ているわけで。
「もう、大丈夫。」
そっと手を伸ばして、ナースさんの涙を拭う。
びくり、小さく体をふるわせると同時に、ぽろぽろと涙がこぼれだして。
ゆるり、だきよせて、だきしめて、優しく背中をなでてあげる。
そうすればこらえるように嗚咽が響いて。
怖かったよね、ごめんね、助けるのが遅くなっちゃって。
なだめるように、小さく言葉をかけていけば、腕の中の小さな柔らかな存在は、さらに私にすがりつく。
かわいいかわいい、ナースのお姉さんたち。
私にとっての、家族。
私が守らなきゃいけない弱い存在。
でも私を守ってくれる強い存在。
大好きな、大好きな人たち。
親父様と、ドクターと、ナースさんたちとマルコさん。
私の世界はそれだけでできている。
私の世界は、それだけで、いい。
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