ドリーム小説
13 まったく悪意は感じませんが
「!」
青い羽根を何度も何度もなだめるような撫でていればバタン、と大きな音を立てて開いた扉。
背中からの衝撃に耐えきれず目の前の青に倒れ込めばいつのまにかいつものマルコがそこにいて。
「エース。」
咎めるようなマルコの声に背後にいる人物がエースだと認識して。
くるり、顔をそちらに向ければぎゅうぎゅうと全力でしがみついてくる姿。
「!助けてくれてありがとう!」
にぱり、太陽みたいに笑うそれがまぶしくて思わずこちらも笑みがこぼれる。
けれども体にじわり温もりが広がったことで気がついた事実。
「エースさん私まだ濡れたままなので離れた方が・・・」
着替えるためにとつれてこられたのに結局青色に目を奪われてその目的は果たせていない。
「あ、悪ぃ・・・??」
とっさに距離をとろうとしたエースはしかしながら半分ほど離れたところでぴたり、動きを止めた。
「・・・?」
それに何事かと首を傾げていれば、むにゅり、胸のあたりにあってはならないような感覚。
「ひぁっ!?」
「柔らかい?」
その言葉にようやっと自分のあまりない胸が後ろにいるエースによって鷲掴みにされていることに気がつく。
一度ならず二度三度、確かめるように手を動かされたことにより全力でパニックだ。
「っ、エーっ、ふぇっ、マルコさっ!」
目の前にいるマルコに助けを求めるように目を向ければぽかんと呆気にとられたように口を開ける姿。
「っ、なにやってんだよい!離せエース!!」
視線に気がついたのか、はっとしたようにあわててエースをひっぺがす。
濡れた体のままくるり、マルコの後ろに逃されて、ぎゅう、とマルコに借りたままのシャツを握りしめる。
鏡とかで確かめなくても完全に顔が真っ赤な自信がある。
「、女だったのか。」
にかり、それはそれはもうなにも後ろめたいことはしていない、そんな笑顔で告げられて。
そういえばさっきこの人物は完全に意識を失っていたなあ、とマルコによって頭をしばかれる彼を見て考えていた。
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