ドリーム小説
「ふふふ、柔らかくて、気持ちがいいです〜」
ぽかぽかと暖かい日の光が降り注ぐ。
さわさわと髪を揺らす風。
温かな光を全身に受けながらうとうととまどろみを楽しむ。
中庭の木の下に体を預けて、はゆったりとした午後を楽しんでいた。
本来であれば授業であるはずのこの時間だが、急遽中止になったためはここにいた。
予習や復習でもしようかと考えだのだが、温かな外の誘惑に勝てなかったのだ。
「、先輩?」
もう少しで夢の世界へと旅立てる。
その瞬間、小さく呼ばれた名前。
こんなにも近くまで誰かが来ていたのに気がつけなかったことに自分を叱咤して慌てて目を開ける。
「あら、しろちゃん。」
そこには青色の制服を身にまとった委員会の後輩がいた。
きらきらと銀色の髪は太陽の光を柔らかく反射させている。
逆光になってしっかりとは読めないが、その表情は柔らかく微笑んでいて。
「何してるんですか〜?」
ほやほやと周りに花を咲かせているように見える彼はことりと首をかしげる。
「お日様が温かいからすこしお昼寝しようかと思ったのです。」
ぽやぽやとした四郎兵衛にそう返せばふわあり、周りにとんでいるお花が増えた気がした。
「僕も一緒にいいですか?」
「あったかいですねえ。」
「そうですねえ。」
二人でほやほやと日向ぼっこをする。
ぽかぽかと気持ちがいいそれに、再び眠気が訪れる。
「・・・ねえ、先輩。」
うとうととしていればそおっと横から問いかけるような声。
閉じかけていた目を開けてなあに?と覗き込めばちらちらと目をそらしながら何かを言い淀む姿。
「なにかしら?しろちゃん?」
再び問えば、四郎兵衛はぎゅっと手を握り締めて声をあげた。
「ひざまくら、してほしい、です!」
顔を赤くさせて、上目使いでお願いされて、断れる人がいるならば教えてほしい、はそう思った。
「ふふふ、柔らかくて、気持ちがいいです〜」
四郎兵衛のほわほわの髪をなでていれば眠くなってきたのだろう。
うとうとと目が閉じられて。
それにつられるようにもそっと目を閉じた。
ちなみにしろちゃんは確信犯。