ドリーム小説








6















中庭にて侵入者の気配。



それはもちろん上級生であればだれもが気が付いていて。



学園内に用意周到にはられたなんらかの幻術が、その場所に行くのを阻んで。



ようやっと穴を見つけて破り捨てて、そうしてたどり着いた先。










倒れ行く、彼女と、瞳があわさった。











おかしなやつ。


それが初めの感想。


いつも仮面を張り付ける私が言えた義理ではないが、私以上におかしなやつ。


笑顔を張り付けて、誰にも本心を見せることはなく。


ふわり柔らかな雰囲気を纏いながらも頑固とした姿勢を崩すことはなく


笑って笑ってそうやって、誰一人そばに寄せ付けることはない。



私にとてもよく似た、そして私以上にたちの悪い奴。




好きか嫌いか、問われれば間違いなく嫌いだと答えよう。



しかしながらそれはおそらく同族嫌悪といわれるもので。





俺はこいつが嫌いで、おそらくこいつも俺が嫌いで。










こいつは誰にも心を開かない。


皆を守るような姿勢を見せながらも決してその命だけは渡さない。





今までも、これからも、ずっとそうだと思っていたのに。










なぜそんなにも簡単に、命を手放す?



その女にどんな価値があると?






似ていると思ったのは外だけで。


天女と呼ばれるそいつのあまい考え方は彼女が持たぬものだった。







どうして、お前は笑っている。





その命はずっと、たった一人自分だけのものではなかったのか?


誰にも渡さない、ものではなかったのか?











その女はその命をくれてやっても惜しくないほどの、そんな価値があったというのか!?








叫びだしそうになる感情をただ、ただ、忍びらしくこらえて、そうして視線を向けた天女のもと






「お姉ちゃん」








その言葉は彼女に対する答えを、如実に語っていたのだった。














夢主→片割れにコンプレックス。
でもあの世界で唯一自分を認めてくれたのは妹だけで、彼女のためにいきたいと願った。
片割れ→誰からももてはやされるけれど自分が一番好きなのは自分を自分としてみてくれる姉。
姉がいなくなって自ら命を絶った。姉に会うために。結局姉によく似た雰囲気を持つ人が人殺しをしているのを見て、耐え切れなくなって暴言を吐いた。
それが姉だったことに気が付いたときにはすべてが遅かった。

夢主に元の世界に戻れるといったのは悪魔か神様か。
手を下した今までの人たちが無事に元に戻ったのか。
それはご想像にお任せいたしましょう。


なんというかやるせないBADが書きたかった。
うまくいかなかったけれど。
しかもほぼ夢主と妹しか出てこないとか。
お付き合いありがとうございました。









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