ドリーム小説






 



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    睦
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。今日の夜私の部屋にこい。」


夕方の鍛練を終えて、夕食に向かう前に先に水浴びをしていれば仙蔵の上から目線の声。

わかった、と軽く返したのが運のつきだったのだろうか。

襖を開けた瞬間、再びしめたい衝動にかられた。

それは酒瓶を手ににこりと極上の笑みを浮かべた仙蔵によって遮られたのだが。



、これおいしいぞ!のめ!」


そう言ってけらけらと笑いながら酒瓶を押し付けてくる小平太。


「うわ、伊作!その薬なんだ!?今誰かのところに入れただろう!」

酔っぱらって懐から出した薬を誰かの湯呑にその場せる伊作。

それをとがめる留。


「・・・」

もくもくと我関せずを決め込む長次。


「ほら、文次郎、もっと飲むがいい。」

「・・・ん。」

頬を微かに赤く染めながら、あまり酒に強くない文次郎に次々と酒を進める仙蔵。

進められている文次郎はろれつが回らないどころか、もうすでにうとうとと舟を漕いでいて。



仙蔵によって引っ張り込まれたそこはそんな惨状だった。

「・・・部屋に戻ってもいいかなあ?」

ポツリつぶやいたのだけれども、それは無言で酒を差し出してくる長次によって無視されて。

しかたなく一番被害が少なそうな彼の横に座り込む。

必然的に小平太がついてきたのは仕方がない、とあきらめて出された酒をあおる。

「、っ、強っ、」

あおったそれは、のどを焼き、そのまま体に流れ込む。

想像していた以上に強いそれに一度せき込む。

そっと背をなでるように回された長次の手が温かい。

、これも!」

正反対にどんどん酒を進めてくる小平太。

「・・・私は十分飲んでいるから、仙蔵か留にあげてきたら?」

わかった!そう言って留に突撃する小平太を横目に、潰れてしまう一歩手前の文次郎の横へと移動する。

「仙蔵。それくらいにしないと文次郎が明日死んじゃうよ。」

「望むところだ。いつもうるさいのだから一日くらい静かな日があってもいいだろうが。」

私の忠告を聞くことなく、文次郎に次の酒を飲ませる仙蔵。

このままだと、本当に明日の文次郎はやばいだろうとは思う。

「じゃあ、仙蔵、私に告いでくれないか?」

そっと文次郎の徳利をふさぎつつ告げる。

む、とした表情を見せた仙蔵に少し笑う。

「これだけ飲んでるんだ。明日はゆっくり寝て過ごすよ。」

最近いつも以上に隈がこくなった文次郎を、仙蔵が気にしていたのを知っている。

だからこそ、酒を入れて無理にでも眠らさせたかったのだろう。

ふわり笑って仙蔵の前に徳利を差し出す。

そうすれば、一つため息をついた後、仙蔵は仕方がないな、と笑った。

、これものんで」

そっと横から差し出されたのは伊作のもの。

見ればふにゃり、笑う伊作。

まったくの悪意が見られない笑顔だが、その手のひらの中の徳利にはおそらく得体のしれない何かが入っているのだろう。

その証拠に、先ほどまで伊作を止めていたであろう留が、屍のように横たわっている。

まあ、そのそばで小平太が倒れ伏した留にまだまだいけどんだ!

と酒を飲ませようとしているのだが。

「伊作、小平太が飲みたがっているぞ。」

どうやって断ろうかなあ、と考えていればそんな仙蔵の声。

それに再びふにゃり笑って、伊作は小平太へと標的を変えた。

。」

呼ばれ振り向いた先。

仙蔵によって開かれた襖の向こう、忍びには似合わない明るい月。

それは冷たくも柔らかな光を地上へと捧げていて。

入ってくる風にその髪をなびかせて仙蔵はふわり、綺麗に笑む。


「あと幾度、こうやって共に飲めるだろうか。」

綺麗な笑みを見せるくせに、まるで何かに恐怖するように仙蔵は問うた。

こいつも、少し酔っているのか。

「皆が、仙蔵が望むのならば幾度でも。」

希望も、願いも込めてつぶやけば、ふわあり、とても美しい笑みが落とされた。


!!」

「うわ、」

その仙蔵の笑みに不覚にも見とれていれば、後ろからの衝撃。

確かめるまでもなく、小平太のもの。

「ちょ、な、痛い、痛いよ小平太!」

ぐりぐりぐりぐり、背中に頭を押し付けてくるものだから、痛くてたまらずに声を上げる。

そうすれば、えへへ、と嬉しそうに笑う声。

「また、いっしょにのもうな!」

「もちろん、僕も。」

声と同時に今度は横からの衝撃。

それに耐えきれなくなって、思い切り地面に倒れる。

と、思ったが、それは長次によって支えられていて。

「ありがとう、長次」

明るい、忍びに似合わぬ月夜。

部屋の中にはかけがえのない友人たち。

背なかを預け合える、戦友たち。

まあ、倒れ伏す屍があったり、穏やかな寝息を立てるものがいたりするが。



それでも、もう少し、この温かな時間を彼らと共に、大切に過ごしていきたい。

















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私の中での酒の強さ

<強い> 長次 仙蔵 留三郎 小平太 伊作 文次郎  <弱い>

長次は飲んでも変わらない
仙蔵もあまり変わらない、色っぽそう
留三郎は笑い上戸
こへいたよう気に
文次郎がお酒に弱いといいと思う。
夢主さんは長次と同じくらい強いよたぶん・・・?


お付き合いくださりありがとうございました!


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