ドリーム小説


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 ちっちゃい彼女 参
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スポーツの秋

芸術の秋

食欲の秋


では、彼女は?







「小平太!」

すぱんっ

壊れるよ、それは。

そんな勢いで教室のドアを開けた少女。

この学校に通う小さな三年生。

名をという。


「どうした?」

開けられた扉の先、呼ばれた少年がひょこりと問い返す。


「中庭に美味しそうな柿の木が!」


どうやら彼女の秋は食欲らしい。


「よし行こう!」

小平太とよばれた少年は立ち上がり、と共に走り出した。

一瞬の嵐。

その言葉がとてつもなく似合う。







「小平太あれあれ!」

楽しげに、目をキラキラさせて伸ばした先。

残念ながら小さな彼女にはどんなに頑張っても届かない場所にそれはあって。

は待ってろ。とってくるな。」

するする、まるで猿である。

簡単に登った先、手を伸ばして一つ二つ。

それを落とす。

キャーキャー言いながらそれを拾うは大変楽しそうだ。

すたん

いくつか落として簡単に着地して見せた小平太。

何事もなかったかのように手を払う。

「すごいすごい!小平太すごいね!」

はっきり言って小平太とよばれるこの少年、背はあまり高くない。

もちろんの身長よりは大きいが、他の一般的な男子の身長にしては小さめだ。

しかしものすごく運動能力がいい。


「・・・もとるか?」

あまりにもきらきらとした純粋な目を向けられるから小平太は楽しくなたようで。

そう提案を持ちかける。

ぱあ、とまるで向日葵のような笑顔を見せるとともに首がとれるんじゃないかというくらい大きく縦にふる。

「よし!」

小平太は楽しげにそう答えてしゃがみこんだ。

きょとりとするの後ろに回り込んでそのまま、ぐいと持ち上げる。

「わっ!?」

曰く、肩車だ。

「うわああ!高い高い!すごいすごい!」

以前一度だけ味わったことある高さよりも少しだけ低いけれど、それでもそれは楽しくて。

木の下で低めのところについてた柿に手を伸ばし、一つ二つ、もいでいく。

「小平太すごいすごい!高いよ!」

楽しそうに声を上げる。

それに小平太も楽しそうに笑った。










「はっちゃん、なにしてるの?」

昼休みだったから食堂にいっていて。

その帰り。

ふ、と耳には行った笑い声。

それは時折会うあの背の低い先輩のもので。

小さな体で一生懸命なその姿は可愛くて、見かけたらついついちょっかいをかけてしまう。

一回目も二回目も、たぶん偶然だと思ってるだろうけど、実はそうじゃないって言ったらあの小さな先輩はどんな反応を見せるだろうか。


その先輩が、三年生の男子生徒、(確か名前は七松先輩とか言った気がする。)に肩車されていえば、これはこう、いらりとするものがあって。

少し耳元で話しただけで、少し顔が近づいただけで真っ赤になるあの先輩。

いやいや、肩車は駄目だろう。

なんでそんな笑ってんですかあなた。

「竹谷八左エ門。」

「っ、」

先ほど聞こえた声の主があまりにも反応のない八左エ門にしびれを切らしたように頭をはたく。

「何すんだよ!兵助!」

痛みをこらえながら振り向けば呆れた顔。

「気になんだったら告白すれば?いつも話してた小さな可愛い先輩って、あの人のことだろう?」

いろんなすべてを見通したような声。

正論なだけに何も返せない。

「じゃないと、とられるよ。七松先輩に。」

はっと、して再び見た先輩の方。

目があったのは七松先輩の方。

にやあり

それはすごく楽しげに、口の端をあげて笑った。

目は鋭く、ただ俺を見ていた。


「お前には渡さないよ?」


くちぱくで伝えられたそれに、心はきまった。
















小平太出したのは、完璧に管理人の趣味。

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