小説
拍手連載第二段!
(主に管理人が楽しいだけだったりする。
if〜
もしも婆娑羅の世界に忍たまたちが行ったら〜
管理人による完全なる趣味です。
NOT夢です。
婆娑羅キャラと忍たまキャラを絡ませたいだけです。
管理人に掴みきれていないキャラは悲惨なことになる、または出て来ないかもです・・・。
他のサイト様とかぶってない気がしません。
管理人の趣味と妄想に走っております。
はっきり言って、本当に妄想です。
2,3年生にしようと思ったのですが、いまいちきゃらが掴みきれていないので、とばして上級生にごーです。
それでもよろしいかたはどうぞ
〜ふほうしんにゅうそのいち〜
「・・・どこだ、ここ・・・。」
その言葉は今の状態を切実に表わしていると思った。
薄暗いその部屋は長い間使われていなかったのか、埃っぽい。
先程まで見ていた空の青さは見えず、かわりに友人達の困惑に満ちた顔が目に入った。
「・・・どこだよ、ここ。」
再び呟いたそれ。
一番近くにいた雷蔵が返事を返す。
「僕達校庭にいたよ、ね?」
なんともいえない沈黙の中兵助が口を開いた。
「とりあえず、」
「とりあえず?」
何らかの解決策がでるのだろうと成績優秀な友人を見つめる。
が
「豆腐を食って落ち着こう。」
「お前が一番落ち着け!」
懐から出されたのは何故豆腐?
どうやって持っていた?など兵助には野暮な質問だ。
「そうかそうか。お前は蜘蛛のくーちゃんか。」
「はち!お前は人間にもどれ!!」
部屋の角に向って話しかけているはちに思わず突っ込む。
「・・・三郎・・・」
「なんだ、雷蔵!」
「・・・あの天井の染み、うさぎかあひるかどっちだと思う?」
「随分余裕だなあ!?雷蔵!!」
何かをまじめに悩んでいると思ったら、そんなことか!
何故突っ込みのお前がぼけている?!ぼけるは私の専門だ!
にもかかわらず、なぜ私が突っ込んでいるのか。
パニックになっているあたまでは考えが及ばない。
「さてと、冗談はここまでにして。」
「冗談?!冗談だったか今の!?」
散々私が突っ込んだあときりりとしたいつもの表情に戻った兵助が改めて口を開いた。
しかも私に対し見事なまでのスルーを披露した。
「とりあえず状況の把握だ。」
一人冷静にもどった兵助がゆっくりと周りを見渡した。
そこは先程までいたはずの校庭ではなく、どこかの室内。
でも、このような場所は忍術学園内には無かったはずだ。
「私たちは、忍術学園の校庭にいた。」
「行方をくらました1年は組の捜索のためにな。」
兵助の言葉に八が付け足す。
「そのときに何かかわったことはあったっけ?」
「・・・あ、立花先輩が、食満先輩と潮江先輩の喧嘩の仲裁のために焙烙火屋を投げていた、よう、な・・・・?」
私の質問にしばし考え込んだ後口を開いたのは雷蔵であった。
「「「「・・・・」」」」
みなの間に無言が流れる。
「其れが原因だろうな・・・。」
ぽつり、落とされた兵助の言葉に皆が無言で頷いた。
と、
「「「「っ」」」」
私含め皆がそろって襖へと顔を向ける。
各自の手は懐へ伸びていて。
感じた気配はゆっくりと確実にこちらに近づいて来ていて。
ゆっくりと目を合わせ合図をする。
そして襖が開いた瞬間彼らの姿はそこには無く。
そこに現れた人物の喉元に4本のくないが当てられていた。
「・・・ええと、何でまたいるの?」
その声は実に間抜けにその場に落ちた。
〜ふほうしんにゅうそのに〜
「・・・おやまあ・・・」
周りを見渡して、一番に声を上げたのは喜八郎。
「・・・喜八郎くん。ここはどこだろうねえ?」
それに便乗するように声を出し首を傾げたのはタカ丸さんだ。
「いや、タカ丸さん、緊張感が無さ過ぎます。」
「とりあえず、此処がどこか、だな。」
突っ込んでいる滝夜叉丸を無視しながら私は現状把握に努める。
「私たち、校庭に居たと思うのだけれども。」
「あ、僕もそう思ってた!」
「いえ、それは皆だと思いますが・・・」
「あのは組の捜索に私たち4年生から上の学年は駆り出されていましたからね。」
緊張感の無さを発揮する二人ははてはてと首を傾げて考える。
「てことは、兵太夫はここにいるの?」
「聞かれても答えられないぞ、喜八郎。」
このときばかりは滝夜叉丸に同感だ。
一番に気づいたのは私とやはりというか滝夜叉丸。
ワンテンポ遅れて喜八郎。
最後にようやくタカ丸さんが。
襖に目をやりそれぞれの武器に手を伸ばす。
そして矢羽で合図を取ると__
開いた襖、そこには誰の姿も・・・否、まさかのタカ丸さんが驚いたようにその場に座り込んでいた。
矢羽の意味が解らなかったのだろう・・・。
あけた人物の首元には2つのくないと一つの戦輪が当てられていた。
「ちょ、タカ丸さん?!」
「えへへ、ごめんねえ、滝夜叉丸くん。僕、矢羽習ったばっかりで、あんまり覚えてなかったから〜。」
頭に手をやり笑う彼にがっくりと肩を落とす滝夜叉丸。
それを横目で見ながら私は襖を開けた人物を睨みつけてる。
体格だけでなく、その気迫、実力、どれをとっても半人前の自分達には勝つことが出来ないということをひしひしと感じながら。
「・・・・・・猿飛んとこだけでなく、こっちにまで来やがるとは・・・」
「おやまあ。」
はあ、と深い溜息をついたその人物に喜八郎の間の抜けた声が続いた。
〜状況把握そのいち〜
「「「「・・・・・」」」」
「・・・・・ええと、」
今現在のカオスな状況に誰か説明を付けてくれないだろうか。
佐助は切実にそう思った。
こちらが何もしないという意思を伝えたからか、彼らはひとまずくないを引いてくれた。
だがその紺色の集団はじっと一箇所に固まってこちらを胡乱げなまなざしで見てくる。
「君達は、忍術学園ってところの生徒さん?」
そう聞けば、皆が皆、再び武器を手に立ち上がろうとした。
「わ、ちょ、まって!」
慌てて顔の前で手を左右に振る。
「何でその名前を知ってる。」
「どこで聞いたんですか。」
同じ顔した二人組みが抑揚の無い声で聞く。
ただ、こちらを敵としか見ないその様子に溜息をつく。
「聞いたんだよ。ええと、庄左ヱ門君たちに」
その名前を挙げた瞬間、ぴりりとさらに空気が鋭くなる。
けれども一人だけ、その空気をなごまさせたものもいて。
「なんだ、ってことは、は組のやつら此処にいるのか??」
ぼさぼさ頭の銀髪はそういってにっかりと笑った。
それに溜息をついたのはその横にいた黒髪で。
「はち、まだ敵か味方か解らないのに、警戒を解くなよ・・・」
その言葉についで双子(ということにしておこう)の片割れの空気も緩んで。
「そういってる、兵助の空気も和らいでるけど?」
ふにゃり、柔らかな空気に変わっていく。
(・・・信じてもらえそう??・・・でも問題は・・)
「庄たちがいるならつれてきてください。」
鋭い目を変えぬまま双子の片割れが言う。
「うん。そうしたいのはやまやまなんだけど・・・」
言葉を濁せば怪訝そうな顔。
「今あの子達、奥州に遊びに行っててね?」
緩やかになっていた4人に空気が瞬時に殺伐としたものに変わった。
「ああ〜もう!こういうときにかぎって、あの子達いないんだよ!」
「二三日まって!そしたら君たちが探している子達が帰ってくるから!」
〜状況把握そのに〜
「・・・てめえらは忍術学園ってとこから来たので間違いねえか?」
低い声。
やのつく職業についていそうなその人は溜息の後そう聞いてきた。
それにぴりりとした空気が部屋を包む。
(若干1名ほどのほほんとした空気をかもし出しているが。)
三木ヱ門が、滝夜叉丸が手にしている刃物をさらに押し付ける。
それに気づいたようにじろりと見下ろされる。
その視線に、あまりに強い目力に二人の背中をだらだらと冷や汗が流れる。
と、
「「喜八郎!?」」
何を思ったのか、喜八郎が手にしていたくないをおろし、タカ丸の側へと歩き出す。
それに声を荒げた二人をちらりと見て、タカ丸の側へ行くと腰を下ろした。
「滝、三木、今はとりあえず、状況把握でしょ?なら、誰かに聞かなきゃ。幸い、忍術学園のことは知ってるみたいだし。」
「確かにそうだが・・・」
「それに、」
「それに?」
「私たちではその人には勝てないからねえ。」
確かにそうなのだ。
ここにいる4人全ての力を合わせたところで、この人物には勝てないのだろう。
しぶりながら彼を見上げれば
「・・・何にもしねえよ。」
という声がかけられて。
簡単に信じるわけにはいかないが、この状況では信じるしかなくて。
ゆっくりと刃物を下ろし、喜八郎とタカ丸のそばに腰を下ろした。
〜おえらいさんと対面そのいち〜
「そういえば、自己紹介してなかったね?俺様は猿飛佐助だよ〜」
「・・・俺様?。」
「何様だよ・・・。」
「いや落ち着こうね?二人とも。」
「俺は竹谷八左ヱ門!よろしく、猿飛さん!」
後ろで聞こえた声は、うん。
聞こえない聞こえない。
始めに警戒を解いてくれた少年が自己紹介をしてくれた。
それに従い次々と自己紹介をして言ってくれる。
「ええと、僕は不破、不破雷蔵です。」
先程仲裁をしてくれていた双子の片割れだ。
「・・・久々知兵助です。」
黒髪の子。
「鉢屋三郎。」
・・・片割れの・・・あれ?
「君達双子じゃなかったんだね?」
「え、あ、はい。」
「・・・忍びの癖に、見破れないんですね。」
あ、かちんて、かちんてきたかもしれない。
「あのね?俺様は「佐助ええぇぇ!!!」・・・旦那」
すぱん
とてもいい音を立てて襖が開かれた。
俺様の主は勢いがつきすぎてその襖が庭まで飛んでいったのは気にしないようで。
「さす・・・?誰だ?」
先程まで若干収まっていた空気が再び張り詰めたのは俺のせいではない。
〜おえらいさんとた対面そのに〜
「・・・金吾ってやつを知ってるか?」
あのあと、その男に案内されてやってきたのは一人の男の前。
(名前は片倉小十郎というらしい。)
特徴を述べるとしたら、眼帯に目つきの悪さ。
蒼い着流しだ。
「・・・その名をどこで?」
滝夜叉丸が頑張りやで泣き虫な後輩を思い出し聞き返す。
「Hey!こいつはナイスタイミングじゃねえか!」
突然笑い出した男に警戒する。
が、
「俺は伊達政宗だ。What your name?」
そのように聞かれて。
「わっ、と、・・?」
聞き取れなかったので聞き直そうとすれば、
「僕は斉藤タカ丸っていいます〜こっちが、「綾部喜八郎。」で、そっちが田村三木ヱ門と平滝夜叉丸です〜。」
名前を紹介された。
「ちょ、タカ丸さん?!忍びが簡単に名前を教えては「滝。」・・・何だ喜八郎。」
言い募る滝夜叉丸を止めたのは喜八郎で。
ゆっくりと滝夜叉丸に向き直り口を開いた。
「この世界には等価交換というものがあってね?情報を得るためにはまず其れ相応の対価が必要で「お前はとりあえず黙っていろ!!」・
・・」
むう、と拗ねた表情をする喜八郎を放っておいて、滝夜叉丸は政宗と向き合う。
「ナイスタイミングとは何のことですか。」
一つしかない目が鋭く滝夜叉丸を射抜く。
それは決して嘘を許さない光であり、ただあるだけにもかかわらず、相当な恐怖感を呼び起こす。
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「わあ!」
沈黙の中響いた声。
それは、先程から全く発言をしなかった、三木ヱ門の声だった。
「っ、どうした!三木、え、も、ん・・・?」
それに驚き三木ヱ門がいたはずの場所を見やれば、そこに姿は無く。
「すごい、すごいです!!」
声の聞こえる方向を慌ててみれば__
「そうだろう?それはなあ・・・」
部屋に飾ってあったと見られる銃器に頬擦りする三木ヱ門と、いつの間に移動したのかその銃器を説明する政宗の姿があった。
〜交流〜
「某は真田源次郎幸村と申す!」
突然入ってきた赤い男に私は驚いてくないをだそうと懐に手をやった。
でも其れよりも先に猿飛佐助と名乗った男の手がこちらの懐の前にあって。
「ごめん。今其れを出されたら、俺様も動くよ。」
後ろから耳元で囁かれたそれにぞっといたものを感じて、ゆっくり其れから手を離す。
振り向けば先程までと同じ胡散臭い笑みの中に、明らかなまでの敵意が見え隠れしていて。
(これが本当の忍なんだ)
冷たい視線
主を守るという意思
それはまさに
しのぶもの
自分もいつかこうなるのだと思った瞬間、どうしようもない焦燥に駆られた
が、うしろからは
「なんと!久々知殿は豆腐が大好きなのか!」
「はい。あの田楽豆腐にしたときの、味噌との相性のよさ。いえ、それよりも、そのまま素材の味を生かした冷奴。あれにはどうしようも
ない輝きを感じます。」
「なるほど!この城の近くにもなかなかおいしい田楽豆腐の店があるでござるよ。是非今度ご一緒しよう!」
「よろこんで!」
「ちなみに某は田楽豆腐も好きだが、一番すきなのはお団子でござるよ!」
「団子とはなかなかいいところをつきますね・・・」
「・・・雷蔵。」
「何?はち。」
「この会話についていけないんだが・・・。」
「私はついていきたくないから。」
という、なんともいえない気の抜けた会話が聞こえてきて。
なんというか、こちらの気が抜けた。
こいつの言っていたことが本当であれば、は組の後輩達は数日で帰ってくるとのこと。
ならば、手がかりであるここで過ごすしかない。
この男は実に気に入らないが、後輩達のためならば仕方が無い。
にこり、雷蔵の笑みを真似て
「よろしくおねがいします。猿飛さん。」
そういってやれば、佐助はげんなりとした顔でぽつりと呟いていた。
「確かに、君達は双子じゃないね。」
・・・どういう意味だ。
ひとまず再会
「金吾!」
「うわああ??!滝夜叉丸先輩っ重いですっ!」
「団蔵!」
「うわあ!田村先輩!!??」
「・・・・」
「わ!綾部先輩、無言で抱きつかないでくださいよ!」
「伊助くんっ!」
「わ!タカ丸、さん?!」
「もうじき会えっだろ」
その言葉どおり、そこには行方不明となっていた、は組のメンバー達が驚いた顔をしてたっていた。
各自の後輩の下に思わず飛び込んだのはおかしくない。
とりあえず、兵太夫に抱きついておく。
普段がどんなんであろうと、大事な後輩には変わりないから。
無言で、というのに驚いたらしいが気にはしない。
暖かい温もりに、その心の蔵の音に心から安心したのは秘密だ。
「ええ、と・・・先輩たち何故此処に??」
は組唯一の良心、学級委員の彼の言葉。
それは最もな質問ではあるが
「庄ちゃん、ほんと冷静ねえ・・・」
不運委員の称号を持つ彼の言葉も最もだ。
「わわ!綾部先輩っ?!」
「ちょ、」
「あわわ・・・」
とりあえず、4人以外の後輩達を近くまで呼び、その小さな体をぎゅうと抱きしめておいた。
無事でよかった
そう思ったのは私だけでなく、タカ丸さんも三木も、口には出さないながらも滝もだ。
それくらい、彼らの存在は私達の中では大きいんだ。
普段は認めはしないけど、こういうときなら素直になれる。
「みんな、無事でよかったよ〜。」
タカ丸さんみたいに素直にいえないけど、其れは私達の本心だから。
〜愛いやつ〜
「お前、ほんといい体してるよな?」
「肌触りも、すげーいい。」
「その目に俺が映ってることが、・・・うれしい。」
「ん?照れてるのか?」
「・・・なあ、もっと触れてもいいか?」
「・・・なあ、あれは突っ込むべきなのか・・?」
「聞かないで。三郎。僕には何も見えてないんだから。」
「私、あれと5年間一緒だったけど、」
「僕も一緒だったけどね。」
「あれには慣れたくない・・・」
「同感」
ぴぃ〜
「なあ、いいだろ?・・・俺とお前の仲じゃないか・・・」
ぴぃ〜
「ちょ、はちざ・・・君の会話、えろi、って、何度呼んでもこないと思ったら、何してんの?!俺様の鳥っ!?ちょ、そっぽ向かないでよ
!?」
「ふっ、俺達の中を切り裂こうとするヤツが・・・なんて無粋なんだろうな・・・」
「てか、それ、俺様のだからね?!」
「束縛する男は嫌われるんだぜ?」
「ちょ、何その顔!?哀れみのなかに、俺よく言った、って言うような顔!?」
「お前の白さ、そんなに私をひきつけてどうしたいんだ?」
「・・・こっちにもいた・・・」
「僕、現実豆腐したいや・・・」
「ちょ、雷蔵?お前も感化されかけてるよ?」
※※※
はちざは佐助の黒い忍び鳥と会話中。
へいすけはもちのろんとうふと
現実豆腐→現実逃避。素で間違えてた・・・。
ぴいぃ〜ってのは呼子の音。
〜仮面〜
幸「うむ・・・なんとも面妖な・・・」
三、雷「「さて、幸村様?私はどちらでしょうか?」」
幸「うむむ・・・雷蔵、殿、か?」
三「残念っ、私は鉢屋三郎でしたっ!」
幸「なんと!某また間違えたでござるか!不思議だ・・・何故、兵助殿は見分けられるのだ?」
兵「・・・勘?」
雷「こっちに聞かないでよ兵助。」
幸「勘とな?・・・では、雷蔵殿と三郎殿はどのように見分けておるのだ?」
雷「え?」
三「・・・私達には見分ける見分けない無いんだけど・・・?」
〜道中〜
「お前達、この世界では何をして過ごしていたのだ?」
わたしの質問にそれぞれが一気に答える。
「「「「#○△■ё_」」」」」
土井先生ではないのだから聞き取れるわけが無い。
「・・・一人ずつ話せ・・・。」
「はい!」
「金吾。」
「僕はよく政宗さんに剣術の稽古を付けてもらいました!」
「ほお、剣術か。・・・政宗殿は強いのか?」
「とても!先生と変わらないくらい強いです!!」
「それはそれは・・・是非手合わせしてみたい・・・」
「いつでもいいぜ?」
「では今度、時間がありましたらよろしくお願いします。」
ぽそりと口に出しただけのその言葉にもかかわらず、前を歩いていた政宗殿が返事をくれた。
「僕は、この時代の兵術について、小十郎さんに教えてもらってました。」
「・・・さすが学級委員。」
こんなときでも学生の本業を疎かにしない、は組の良心。
「伊助くんは、何をしてたの〜」
「僕は、佐助さんによくお料理を教えてもらってました。」
は組の母。さすがだ。
・・・ん?佐助さん?
疑問に思った其れを口に出す前に、次の声が聞こえてきた。
「「はい!僕らは、庭に落とし穴を作ってました!」」
「・・・・・・。」
なんともいえない。
その沈黙をものともせず、喜八郎が聞く。
「それはすごいね。兵太夫。誰がかかったの?」
「乱太郎がほぼ!団蔵が6くらい、金吾が3、それから、幸村さんが9くらい!」
・・・同情してやろう・・・不運委員に。
そして何気なく名が挙がった、後輩の金吾に。
「・・・幸村さん?」
三木が不思議そうにでもかすかな疑いを持って聞く。
「はい!僕達をおいていてくれているいいひとです!」
「これから帰るのはその場所です!」
「僕は幸村さんとこで、よく馬を触らせてもらってました!」
「お前の家は馬借だからな。」
便乗したように口を出した団蔵に三木が納得したように首を縦に振る。
「おれは、いつものようにバイトしようと思ってたんスけど、この時代のお金じゃ、意味が無いんで・・・」
そういって口を濁したのは守銭奴きり丸。
その表情はどことなくうつろいでいて。
そういえばこの子はなかなか甘えるということをしない。
現に再開したときも一人突っ立ってて、周りのように抱きついては来なかった。
「他のみんなは〜?」
「僕はね__」
なんというか、はやくあの胃痛もちの先生をこの子にあわせてやらないといけない気がした。
〜再会そのに〜
「「「「「ただいま〜」」」」」
「庄!」
「え、鉢屋先輩??!」
「三次郎!虎若!」
「竹屋先輩っ!!」
「竹屋先輩ぃ〜!」
「きり丸、無事でよかったよ。」
「不破先輩っ・・・。」
「伊助!」
「わ!久々知、先輩っ!?!」
「兵助く〜ん!!」
「うわっ!?タカ丸さんっ?!」
そろそろ帰ってくると思う。
そういう風に告げられたら、いてもたっても居られなくて。
4人同時に動き出した。
門の近くまで行けば、聞こえてきた懐かしい、幼い声。
思わず、表情が緩む。
水色の軍団の中に少々紫が混じっていたのは驚いたけれども、今はとりあえず、意地っ張りで、でも寂しがりやで泣き虫で実はとても甘え
たがりやな後輩を力のかぎり抱きしめることにした。
「きり丸、無事でよかったよ。」
「不破先輩っ・・・。」
小さな体で必死に縋りつくその様子は、とてもいとおしい。
きっとこの子のことだから、寂しくても寂しいといえなくて、日々をすごしてきたのだろう。
顔が押し付けられたおなかの辺りがかすかに湿っぽい。
その小さな頭をゆっくりと撫でてやった。
〜いいなあ〜
まさむねさんのおうちで、4ねんせいのせんぱいたちとさいかいした。
でも、そこにはいいんかいのせんぱいはいないから、きんごとかいいなあって、おもってたらちょいちょいってあやべせんぱいがよんだからちかづいてみた。
そしたらくるしいくらいにぎゅうってだきしめられて、なんだかすっごくぽわぽわってした。
なめさんたちもどことなくうれしそうだった。
ゆきむらさんのおうちにかえってきたらつぎは5ねんのせんぱいたち。
・・・いすけはふたりもせんぱいでずるい・・・。
でもいちばんくるしそうだったきりまるのかおがふにゃあってなってたから、いいことにする。
じっとみてたらたけやせんぱいとはちやせんぱいがてまねきしてくれたから、とびついてみた。
あったかくてなつかしいにおいがした。
・・・けませんぱいはむかえにきてくれるかなあ・・・?
しんべヱにそうきいたらにっこりってわらってぜったいきてくれるっていってくれたから、もうすこしまとうとおもう。
だから、はやくきてね?けませんぱい。
※※※
ちょい補足。
は組は幸村のとこから政宗のとこに遊びに来てた。
(護衛は真田忍隊の才蔵とかで。)
んで政宗のとこ付くちょいと前に、4年が到着。
んでその後すぐに再会。
その頃に幸村宅に5年到着。
んでは組戻ってきて再会。
〜原因〜
「とりあえず確認だ。」
真田幸村の居城の一室を借りて、皆で輪になり話をする。
仕切るのは学級委員長委員会委員長代理の鉢屋三郎だ。
「俺達5年生は立花先輩の焙烙火屋が原因だと考えてるんだ。」
「あ、ぼくらは組もそう思ってます!」
雷蔵の言葉には組の庄左ヱ門が同意を示す。
「4年はどうだ?」
それに一つ頷き、紫に話を促す。
「・・・う〜ん。」
タカ丸が特徴的な金色を動かし考える。
「たしかユリコが・・・」
その後三木ヱ門がそういえば、と話し出す。
「そうだ!三木ヱ門のもってる石火矢が爆発したんだろうが!」
それに思い出したように滝夜叉丸の抗議。
「なんだと?!私のユリコのせいだといいたいのか?!」
「そもそもは貴様がっ「ストップ」・・・」
いいあいをはじめた二人を喜八郎が有無を言わさず止める。
(手に持っていた湯飲みを滝夜叉丸に投げつけたのだ。)
「・・・とりあえず、綾部。先輩に焙烙火屋について何か聞いてないか?」
それを見ない振りをして八左ヱ門が喜八郎へと話を振る。
「ん〜・・・あ。」
「なんかあったか?」
ゆっくりと首を傾げていた喜八郎がかすかに声を上げた。
「珍しい火薬が手に入ったとか何とか・・・」
その言葉に三郎が黒髪を見る。
「火薬委員会委員長代理の兵助。」
いきなりの指名にもどもることなく答える。
「ああ、確かに最近珍しい火薬を購入をした・・・けれども持ち出し厳禁の棚に・・・」
「でも、その火薬減ってましたよ??」
「・・・え?」
付け加えられた伊助の言葉に兵助がフリーズする。
さらにはタカ丸の声も。
「あ、僕も知ってるよ〜たしか数えたとき数が合わなかったんだよねえ〜」
「・・・」
「しかもその後すぐには組の騒ぎがあったから、報告できなかったんだ〜」
皆でゆっくりと顔を見合す。
「・・・ということは其れが原因だな。」
一様に頷き、溜息を零す。
「けど、原因がわかったところで・・・」
「きっと大丈夫。」
語尾を濁すきり丸に優しく声がかけられる。
それは雷蔵のもので。
「・・・?」
首を傾げたは組ににっこりと笑って雷蔵が続ける。
「先輩が来てくださるよ。絶対に」
自信満々なその言葉にだれもが同じように笑った。
〜きみたちは__〜
次にやってきた忍びの卵は警戒心が強く、そして注意深い
それはきっと着々と忍びへと近づいている証拠。
願うは一つ。
どうかこの後輩思いで友人思いの少年達を心を持たない存在に育て上げないで
俺様のように、闇の世界で生きていくには優しすぎる少年達だから。
心を殺さないで
姿を偽らないで
気持ちを隠さないで
うれしいときはうれしいと
悲しいときは悲しいと
心の底から思いを感情を押し出すことが許されるそんな存在に
ど う か お れ さ ま の よ う に は な ら な い で 。
需要があるんだかないんだか、このシリーズ・・・
4、5年でした。
何故か最後は佐助で閉めでしたが・・・。
お次は6年のターンだぜ!