生まれ変わった君にも、○○と呼ばれたい!!
アテンション
生まれ変わって記憶があったりなかったりする子たちがわちゃわちゃするだけの話。年齢操作とかいろいろしてます。
この呼び方をされたい、と突っ走る子たち。
1ここ
2記憶ありローとハート海賊団
3記憶ありルフィと麦藁海賊団
4記憶あるんだかないんだかのゾロとルフィ
5記憶あり佐助と記憶なし幸村
6記憶ありポッターと記憶なし教授
7記憶ありドラコとハーマイオニー
8記憶ありアニスと記憶なしイオン
9記憶ありオリジナルイオンと緑っ子とアリエッタ
10ダウニーに名前で呼んでほしいいかちゃん
2記憶ありローとハート海賊団
「おい、おまえ等。」
細いからだ。
服の間から見える肌にはたくさんの入れ墨
鋭い目つき。
その下に存在する隈がよりいっそう彼の凶悪さを増す手伝いをしていて。
ゆるり、視線を受けた男はびくりと体をふるわせた。
もう一人は軽く肩をすくめて。
「俺は、誰だ?」
自分のことがわからないとか、記憶喪失か。
そんなつっこみができる勇者はここにはいない。
体をふるわせたキャスケット帽子の男がごくり、息をのみ、そして口を開いた。
「トラファルガー・ロー」
瞳が細められる。
気軽に言葉を発することを許さない、とばかりに。
くつり、男が笑った。
「なあ、シャチ。___それだけか?」
ひやり、空気が冷たさを帯びる。
「それくらいにしておいてくださいよ、」
ついで口を出したのはもう一人の男。
ペンギン、と書いた帽子は見た目はかわいい。
その奥の瞳は鋭い色を移しだしているが。
「ねえ、我らがキャプテン。」
その響きに満足したかのように男は口角をあげた。
キャプテンと呼ばれたい現代ロー
3記憶ありルフィと麦藁海賊団
「おい、おまえ等!!」
目の下に傷を持つ男。
それだけ言えば、すごく悪人顔を思い浮かべるが、いかんせん、この男。
瞳はきらきらと輝き
にこにこと満面の笑みを浮かべ
その口元は楽しそうに笑みをかたどり
その頭の上には麦わら帽子が乗っている。
声を張り上げた男に、面倒くさそうに反応するのは4人の少年少女。
緑頭に金髪。
橙頭に長い鼻。
それらに向かって男は再度口を開いた。
「俺を、船長と呼べ!!」
「あんた頭打った?」
叫ばれた内容。
それを間髪入れずに両断する橙頭。
「勝手にやってろ。」
緑頭は机に頭を突っ伏して寝る体勢。
金髪なんか、なにも言わずに視線をはずした。
「突然どうしたおい。」
唯一長い鼻だけが男に近寄って顔をのぞき込む。
と、
「ウソップ!!」
がしり、男は長鼻の肩をがっちりとつかみ、にぱり、笑った。
「俺は誰だ?」
「いや、ただのルフィだろ。」
至極まっとうな返事のはずなのに、む、っと不満そうに男は頬を膨らます。
「船長って__」
「いや、呼ばねえし。」
「なんでだよ!」
つかんだ肩をそのままがっくんがっくんと前後に振り回す。
と、
「あら、楽しそうね、船長さん。」
教室の出入り口より黒髪を携えた美女が現れて。
そして、あっさりと船長、と口にした。
「ロビーン!!」
ぱあ、っと男に笑顔が戻る
その笑顔に解されるように、長鼻が、橙頭が顔を見合わせて。
「まあ、一回くらいなら。」
「仕方ないわね。」
「「ルフィ船長」」
口に出した瞬間、二人はきょとん、と顔を見合わせた。
どことなく、しっくりとくるような。
ずっと、そう呼んでいたような。
違和感のなさ。
思わず、笑う。
「ウソップ、ナミ!!」
あまりにもうれしそうに笑われれば悪い気はしないわけで。
「ほら、あんたらも一回くらい呼んでやりなさい」
「というか、呼ぶまでつきまとわれるぞ。」
金髪と緑頭はいやそうにちらり、男に目をやって。
けれどその笑顔に押し込められるようにため息をついた。
「「・・・船長」」
ぶっきらぼうに、でも確かに呼ばれたそれに、ルフィは、泣きそうに笑った。
船長と呼んでほしいルフィ
4記憶あるんだかないんだかのゾロとルフィ
見つけた
その言葉は頭が反応するよりも先に手足に伝わり。
俺の体を無意識に動かした。
探した、ずっと探していた。
その存在を、その姿を、おまえという存在を。
手を伸ばす。
けれど、触れることができなくて。
ぐ、っと伸ばした手を引き戻し、ひざまづく。
ぱちくり、瞳を瞬かせるおまえの前に。
まっすぐな、曇りのない瞳。
くったくのない、、眩しい笑顔は今はまだ潜めたまま。
それでも、知っている。
おまえの顔がどんな笑顔を見せるのかを
おまえの声がどんな言葉を紡ぐのかを
大事な物を傷つけられたときの、おまえの反応を。
だって、おまえは、俺の
俺にとっての唯一無二の、
引っ込めていた手に、温もりが触れる。
は、っとなって顔を上げれば、そこには同じように膝をつくおまえの姿。
一度、二度、瞬きを繰り返して、笑った。
「なあ、おまえの名前教えてくれよ。」
そして、俺の名前は、色を生み出した。
ゾロと呼ばれたいゾロ
5記憶あり佐助と記憶なし幸村
「無理だよ、旦那。」
どうして、名前で呼ばない?
旦那の質問に俺は困ったように笑うことしかできない。
「だめなんだよ、旦那。」
それ以上の呼び方をしてしまいたくはないんだよ。
いつかの世界、俺様にとって、あなたは。
どうしようもなく愛しくて大事でかけがえのない主様だった。
けれど、それは、過去の世界。
今はどうがんばってもそんな関係には戻れない。
でもね、俺は知らないんだ。
それ以外の接しかたを。
あのね、俺はわからないんだ。
主に使える以外の生き方を。
この世界で旦那に会えた瞬間、俺様は生きる意味を見つけたんだから。
近づきすぎちゃ、いけない。
どうしたらいいのかわからなくなるから。
だから、こうやって、セーブしなきゃ。
あなたを、旦那と、主と慕うことで。
たとえ旦那が覚えてなかろうと、俺にとっての主様。
たとえ旦那にまだ出会ってなくても、俺にとっては主様。
いつかの世界と、
同じくらい眩しい笑顔で。
同じくらい優しい言葉で
同じくらい柔らかな手のひらを、俺様に差し出してくる。
友ではない、友にはなれない。
唯一無二の絶対主
俺様の生存理由
だから、ごめんね、旦那。
「俺様は旦那のことを、名前では呼べないんだ。」
旦那としか呼べない佐助
6記憶ありポッターと記憶なし教授
「スネイプ教授。」
学校の帰り道。
突然呼ばれた名前。
それは、不可解な敬称を伴って。
怪訝な顔して振り返れば、そこには櫛では解かしていないぐちゃぐちゃな黒髪に丸眼鏡のスーツの男。
どう見ても年上だ。
_不審人物についていってはいけません_
学校の先生の言葉がよみがえる。
無視だ。
ゆるり、前に向き直って、なにも聞いていないふりをして歩き出す。
が、
「・・・なんだ。」
がしり肩が捕まれる。
しかも結構な痛さで。
「スネイプ教授」
再度呼ばれる名前。
相変わらず意味が分からない敬称。
なのに、違和感を感じない自分に違和感。
「叫ぶぞ。眼鏡。」
不審人物め。
そんなつもりで後ろの人物をにらみつければ、にぱり、なぜか笑顔。
「わー、やっぱり若いと嫌みもストレート!」
なんだそのノリは。
肩をつかんでいた手が、頭に乗る。
振り払おうと首を動か、そうとしたのに、がっくんがくんと前後に振り回される。
なでられているのではない、振り回されているのだ。
「き、っさま、」
痛い、というか、気分が悪くなるやめろ。
「ああ、スネイプ教授やっぱりか弱い!」
「や、かま、しい」
なんて失礼な男だ。
元はといえば、おまえがいらないことをするから。
「い、いいかげんに、しろ!!」
がっくんがっくん、そろそろ吐きそうだ。
やめろ、とその手を振り落とし吠える。
「減点されたいのか、ポッター!!」
目の前のぽかんとした眼鏡。
でもおそらく僕はもっとひどい顔をしているのだろう。
一度も名乗ることのなかったこの男の名前を、どうして僕が知っている。
そう思ったのに、思っていたかったのに。
知っていることが当たり前だとも、思ってしまって。
「スネイプ教授」
三度目。
でも、もう、何一つ違和感を感じない。
だって、その呼び方は聞きなれたもの。
ポッターが、泣きそうに笑う。
「昔、いえなかったお礼を」
そっと僕の前に膝をついて。
じ、っと緑の瞳で僕を見つめる。
心臓が音を立てる。
その緑に、呼吸が止まりそうになる。
「スネイプ教授」
その色を、僕は知っている。
「母を愛し続けてくれてありがとう。」
だって、それは、リリーの、色。
滲む視界を隠すようにうつむいて、つぶやいた。
「忌々しいポッターめ。50点減点。」
それに対してポッターはひどい、と笑った。
教授と呼びたいハリー
7記憶ありドラコとハーマイオニー
「ドラコ」
柔らかい音。
耳なじみのよい声は、すでに僕の耳に定着してしまって。
ふわふわとした髪を揺らして、とてもきれいに彼女は、僕に、笑う。
きっと彼女は覚えていないのだろう。
この世界ではない、あの世界のことを。
魔法使いと呼ばれた僕らを。
過去、僕は彼女を受け入れることができなかった。
彼女という存在ではなく、彼女を取り巻く環境を嫌悪して。
そして、こんなにも優しく人一倍努力する彼女をたくさん傷つけた。
けれどあのころの僕はその言葉がそんなにも凶器だとも気づかなくて。
彼女に出会った瞬間、思い起こされた記憶の箱。
そこにあったのは、ひどく子供じみた過去の僕。
そして気づく。
過ちを犯していたことを。
だからこそ、今、僕は彼女に手を伸ばす。
あの世界を償うように。
今度こそ、優しい彼女が僕に笑ってくれるように。
「グレンジャー。」
あの世界で呼び慣れたそのファミリーネーム
呼ぶといつも彼女は困ったように笑う。
「ドラコ、私はハーマイオニー、よ。」
何度も何度も、名前で呼んでといわれるけれど、弱虫な僕にはそれはひどく難しくて。
それに対して曖昧に笑えば、彼女はいつもあきらめるから。
そう、いつもであればあきらめてくれていたはずなのに。
「だめよ、ドラコ。」
きっ、と、その柔らかな瞳をつり上げて、僕をにらむ。
そんな姿を見るのは久しぶりすぎて、思わず息をのんで。
「私はハーマイオニー。ちゃんと、呼んで。」
鋭い声。
けれどそれに対して答えることができなくて。
そうすれば彼女は今度はどことなく泣きそうに眉をひそめて。
ちいさなちいさなこえで、いった。
「私は、もうあなたをマルフォイと呼んだ関係に戻りたくはないわ。」
ああ、なんだ
気づいてしまった。
悟ってしまった。
とても賢く優しい彼女は、僕が気づくずっとずっと前から、記憶を知っていたのだろうう。
だというのに、僕に笑ってくれていたのか。
ずくり
心臓が痛い。
こんな僕をみてくれる彼女に、答えなくてはと緊張して。
手が汗をかいて。
視線をさまよわせる。
「ごめん、・・・ハーマイオニー」
その言葉にようやっと彼女はいつもみたいに笑ってくれた。
名前で呼んでほしいハーマイオニー。
8記憶ありアニスと記憶なしイオン
「イオン様」
私が呼ぶたびにイオン様は困ったように笑う。
そんな表情をしてほしい訳じゃないのに、その表情以外を私は引き出せない。
「アニス」
耳障りのいいおと。
私の名前がまるで大切なもののように感じる、錯覚。
もっと呼んでほしいのに、もう呼ばないでほしい。
矛盾にさいなまれて、私は今日もあなたの隣にいる。
イオン様は優しい人だから、イオン様、と呼ぶ理由を聞かない。
イオン様は聡い人だから、距離をとりたがる私に気づかないふりをする
イオン様は強い人だから、決して私を遠ざけたりはしない。
ごめんなさい。
いつかの時代で、私はあなたを殺したの。
両親のため、だなんて大義名分で。
守るべき主を危険にさらしたの。
そして、私は生き残った。
いつだって記憶の中のあなたは笑っていたはずなのに。
決してその表情を思い起こすことができなくて。
だから、たとえこんなにも平和な世界でも。
私はあなたの友にはなれない。
あなたを傷つけてしまった私は、あなたのそばにも居てはいけないのに。
それでも、今度は守りたいから、それだけの理由で、あなたから離れきることはできなくて。
「イオン様」
名前を呼べば、困ったように、でも優しくあなたはほほえむ。
「アニス」
穏やかな声で呼び返してくれる。
それだけで、もう、満足。
なのに
「アニス、僕は願っています。あなたがいつか、私を友としてみてくれることを。」
優しい優しい主様。
大切で大好きで愛していた、私の愛しい人。
でも、あなたの願いでも、きっとそれはかなえてあげられないの。
イオンと呼べないアニス
9記憶ありオリジナルイオンと緑っ子とアリエッタ
「お兄ちゃんお兄ちゃん!!」
ころころと転がってくるのは二つの緑。
それを一歩離れたところで見てるのはもう一つの緑
そのどれもが僕と同じ顔をしていて。
僕と同じ声を持っている。
あの世界で僕から作り出された彼らは、この世界ではなぜか同じ母から生まれ落ちた兄弟となった。
僕が一番に生まれて、それから三つ子が生まれて。
三つ子が世界に放り出されたその瞬間に、僕はすべてを思いだしたんだ。
過去、僕が彼らに背負わした業を。
過去、僕が世界に放った混沌を。
あの後あのせかいがどうなったのか、僕は知らない。
知りたくもない。
___否、ただ一つだけ気になるのは僕の大事な守護役はどうなったのかということだけ
僕が、新たに生まれ落ちたこの世界には、預言は、なかった。
弟たちを好きか嫌いか聞かれたら。
僕はすぐさま答えよう。
大嫌いだと。
いつだって態度で示して、三つ子にも口で伝えてだっているのに。
それなのに、なぜかいつも三人は僕の側にくる。
嫌いだと突き放す度に、困ったように笑って、それでも側にいようとする。
嫌いだと逃げる度に、距離を置いて様子をうかがってくる。
滅多に近づかないくせに、何かあったときは気がつけば側にいる。
そんな三人。
意味が分からない。
そう、意味が分からなかったのに。
「お兄ちゃん」
弟に、呼ばれた。
いつものように返事も反応もしないでいるはずだったのに。
今日はなぜか振り向いてしまって。
そうすれば、柔らかく笑う弟がいて。
その後ろ、残りの弟たちが、何かを僕の前に押し出そうと、して、いて
かすかに見えた、桃色、に、
体が勝手に動いた。
弟を押し退けて、その桃色に手を伸ばす。
びくり、小さくふるえたからだ。
まん丸い目が、僕を見上げて。
さらに大きく開かれて、そして、その瞳には涙の幕が張る
「イオン、さま、」
かすれたその言葉は、小さくて聞こえないほど。
それでも、確かに彼女は、僕を、僕の名前を呼んで。
「っ、アリエッタ、」
僕の守護役、大事な人。
ぎゅう、と抱きしめて体全体で君を感じて。
そして、気づく。
弟たち三人が柔らかく笑っていることに。
ああ、そうか。
お前たちは、知っていたのか。
この世界だけじゃない、あの世界のことを。
あの過去を。
だからこそ、いつだって側にいて。
だからこそ、いつだって離れなくて
だからこそ、僕をまもろうとして。
弱いのは君たちの方だというのに。
僕は強いはずなのに。
ばか、だなあ。
思わず漏れた笑顔に、三人は泣きそうに笑った。
オリイオをなぐさめたいイオン
アリエッタを探し出したシンク
みんなで笑い会いたいフローリアン
10ダウニーに名前で呼んでほしいいかちゃん
「ダウニーさん」
私が話しかければ、いつもあなたはけだるげにこちらをみて。
「どうした、お嬢ちゃん。」
そう返す。
それは私の名前じゃないのに。
私にはちゃんとした名前があるのに。
何度名前を教えても彼は一度たりとも呼んではくれない。
「何だ今度は。ギアか?注文の受け取りか?」
義務的すぎる会話。
それがあなただとわかってるけど、それでもやっぱり寂しくて。
「ダウニーさん。」
再度、呼ぶ。
「なんだ、お嬢ちゃん。」
相変わらずの、返事。
でも、今はそれでもいい。
「私、もう少しでsになりますから。」
ぐ、っと座り込むあなたの前で、立ったままその顔をのぞき込んで。
のけぞることもなく、ただ無表情に見つめてくるあなた。
その瞳をまっすぐに見つめて。
「そしたら、ご褒美ください。」
私の言葉に、初めてダウニーさんは首を傾けて。
「ご褒美?」
聞き返してきた。
反応が嬉しくて、じわじわと頬がゆるむ。
そのまま瞳を見つめて続けた。
「私の名前を呼んでください。」
一度、二度、瞬かれたその瞳。
それが、初めて形を変えた。
ゆるぅり、柔らかくすがめられて。
口角が、かすかにあがって。
楽しげに、愉快気に、私を見つめた。
「いいよ、お嬢ちゃん。」
ゆっくりと、手が、ダウニーさんの手が私に伸びる。
「誰しも、ご褒美があれば頑張れるもんな。」
その手が、かすかに私にふれて。
「さ、がんばってこいよ。」
優しく頭を撫でられた。
※※
まさかのいかちゃん。
積極的片思いいかちゃんと
無自覚鈍感恋愛音痴のダウニーさん。