ドリーム小説






かわいい人形
ふわふわした服
きらきらした世界

女の子ならば誰もがあこがれるすてきなファンシーショップ。
休日の午後ともなれば、人でにぎわうその場所。
きゃっきゃとあふれるにぎやかなその店の中に、とてつもなく似合わない男が一人。

しかも入り口からはいったところであまりの女性の多さに驚いたのか、その場所から動かない。
ぶっちゃけ、邪魔だ。
通り過ぎる女性がとてつもなくうろんげな視線を向けていく。
しかしながらその視線すら気がつけないほど男は焦っているようで。

「あの・・・」

その異質さに誰かが店員を呼んだのだろう。
恐る恐る、とい言う言葉が大変似合う。
しかしながらその男は声をかけられたことに驚いたのかぎんっ、と目つきの悪いその瞳を店員に向けた。

「ひっ、」

かわいそうにその店員の瞳にはじわり涙が浮かぶ。
本人に泣かせるつもりはみじんこほどもないのだが、いかんせんその顔だ。仕方がない。

げしり

とつぜんそんな効果音が響いた。

「っ、」

背中に受けた衝撃のままよろける彼。

「なにをしとるんだおまえは。」

ため息とともに聞こえてきたのは腐れ縁ともいえる聞きなれた相手のもの。

「・・・てめぇこそなにしやがる、仙蔵。」

怒気をはらませていうが仙蔵はしれっとしていて。

「私の連れが失礼した。こいつにはよく言い聞かせておこう。」

「い、いえ、こちらこそ、失礼いたしました。」

店員に向かって見ほれるような笑みをこぼして言う。
それにかすかに頬を染めて店員は返事を返して普通の業務に戻っていった。

「・・・で?」

じとり、先ほどまでとは全く違う乾いた視線。先を求める視線に思わず言葉に詰まる。

「・・・はあ。どうせお前のことだ。あいつにクリスマスに何かしたいが何をすればいいのかわからない、とかそんな感じだろう?」

あっさり当てられて思わすそっぽを向く。

「・・・人の女を親しげに呼ぶな。」

赤くなっているであろう顔を隠すようにわざとにくまれ口をたたくが、さすがにこの長いつきあいだ。
ばれているであろう。
それを証明するように、くつくつとこぼされる笑い。

「せめて彼女と呼べ。それにあいつは私にとっても大事な友だからな。その言葉は悪いがスルーさせてもらう。」

くつくつそれは本当に楽しそうでいらだつ。
が、今このとき、頼れるのはこいつだけだと言うことも理解していたため、怒りをこらえる。
一度深呼吸をして、まっすぐに、楽しそうにこちらを見てくる仙蔵に言葉を投げる。

「何を選べばいいのか、女の考えはわからん。手伝え。」

「学食一週間で手を打とう。」

頼みの言葉にあっさり同意。
それにもちろん要求をつけられたが、今の文次郎にとって背に腹は代えられない。

「・・・わかった。」

にっこり、とても艶やかにほほえむその表情にとてつもなく苦い何かを感じた。










全力で当日にupするの忘れてたとか・・・


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