「・・・・・・」

「・・・・・・」

「とりあえず、片付けましょうか?」

「・・・うん。お願いしてもいいかな」



保健室に入った瞬間それは起こった。

まず入ってきたに視線を向けた乱太郎。

その際に足元にあった薬箱につまずき中身をぶちまけただけでなくそのまま乱太郎自身も倒れて。

それに巻き込まれる形で伏木蔵も持っていた落とし紙と一緒に倒れて。

それを支えようとした左近と数馬が支えるのに失敗し共に倒れ込み、その際に左近が持っていた薬湯が伊作に向かって飛んで行った。

間一髪のところで避けた伊作だったが避けた先にあった薬棚にぶつかり棚が倒れその角に頭を強打。



なんとも摩訶不思議な空間が出来上がったのだった。



なんとか吸われるだけの空間を確保したところで本題とばかりには包みを取り出した。

まだ作業を続けている後ろの乱太郎たちも呼び寄せて言葉を発する。

「いつもお世話になってるお礼です。みんなで食べてください。」

それに嬉しそうに笑った後輩たち。

「むしろいつもお世話になっているのは僕たちの方なんだけどね」

伊作はふふと微笑んでそんなことを言って。

「最近よく保健室に運び込まれることがありましたから・・・」

微かに目線をあさっての方向に向けてつぶやけば後輩たちの笑い声。

さらには伊作が笑っているのに笑っていない笑みを浮かべて。

「じっとしていてくれない患者ほど困ったものはないんだよね」

それに心の底からごめんなさいとつぶやいた。