なんとなく、ただ、なんとなく。
抱きしめたいって、そう思ったんだ。
「どうしたんだよ、しんべエ、乱太郎、重いだろ、」
力いっぱい、ここにいるよと、
僕たちが必要としているのだよと、
いくら口で言っても、君は信じてくれないから
ならば、いっそのこと、この体全部使ってきみに、伝えたくなったんだ。
「まったく、二人とも甘えん坊なんだから」
君が甘えないのだもの、
僕等は君の分も甘えたいんだ。
消えてしまわないで、お願い。
君はここにいるよ
僕たちは君が必要なんだ
わからなくてもいい
理解しなくてもいい
ただ、知っていて
いつか訪れる戦場の中で、ただ、そのことだけを覚えていてくれれば、いいから。