文次郎卒業後。
ねつ造、真黒。
なんというか赤い表現あり。











決別、後









なにを恐れる

なにを怖がる



それがお前が望んだものだろう

それがお前の望んだ未来であろう



それをどうして怖がるのか

それをどうして恐れるのか



それにどうして

涙を流す?



あの温かな陽だまりは、もう終わったのだ。

自分で選んだ道であろう?


あの温かな手のひらは、もうお前に差し出されることはない。

かわりにお前の手が掴むのは紅だ。



友と刃を交えることが怖いのか?

そんな日が来なければいいと?


なにを甘いことを。

なにを世迷いごとを。



お前は何になったのだ?

お前は何のため学んできたのだ?



お前がなったのは、主の道具として生きるだけの忍びであろう。

お前が学んだのは生きるためであろう。



それを自らたがえるとでも言うのか?




ああ、なんて愚かな。

なんて滑稽!




さあさあ、ほら、いまひとたび刃を持って。

その手を紅に染めて。

その顔を隠して。



目の前の、あの時の陽だまりと決着をつけなければ









でなければ、まつのは


   死


のみだ。





さあさ、はやく。





文次郎。







心に巣くう闇が、ただ、俺を動かして。


気がついた時には、目の前に横たわる無数の屍。


それになにを思うでもなく



あの時の自分はもうここにいないことだけを実感する。



共に学び、背を預け合えた仲間たちを


教えを請うた生意気な後輩も


声をあげて、友を思うことを一番としていたあの水色たちも。









今の俺にとってはすべてが邪魔なだけだ

















文次郎の卒業後。
自分の咎を真正面から受け止めた結果、心をないものとしてしまったよ。
というかんじ。