小説
別にあなたのこと嫌いなわけじゃない。
常に志高く、その地位を守り続けるその姿勢には感嘆する。
正直にすごいと思うわ。
言葉だけでなく、優秀であろうと努力するあなたを羨ましくも感じる。
日に透けてきらきらと光る金色の髪も綺麗。
まっすぐに迷いなく私を見てくるその瞳も宝石みたい。
たとえその瞳に映る感情が憎悪だとしても。
あなたのことが嫌いなわけじゃないの。
きっと出会いが少しでも違っていればお互いに切磋琢磨できるようなそんな友人になっていたわ。
けど、実際は違った。
あなたはいつも私の友人を貶めるの。
私が守りたいと思った彼らを
私が共にいることを許してくれた彼らを。
それだけは許せないの。
たとえあなたの口から私を貶める言葉がささやかれたところで何とも思わないわ。
「穢れた血」そんなことを言われてもマグルである私には、別に痛くも痒くもない。
けれども、大切な友人たちを傷つけるのならば、容赦はしないわ。
あなたのことを嫌いなわけじゃない
ただ、出会いが悪かっただけ。
あなたも私もお互いに違う道を歩いていたの。
だから、それだけなのよ
「穢れた血」その言葉を吐いた瞬間、自分の中の何かが穢れた気がした。
別に彼女のことを嫌っているわけじゃない。
彼女の実力は素直に認めている。
マグルであるにもかかわらず、その知識には目を見張るものがある。
努力しているその姿勢は素晴らしいものだと思っている。
もしも、あり得ないことだとわかってはいるが、彼女が僕と同じ寮であったなら
きっと今の関係にはならなかっただろう。
互いに互いを認め合い、お互いを高め合える、
そんな存在になっていたろうに。
ふわりふわり、歩くたびに揺れる茶色の髪。
そのぴんと張った背筋。
嬉しげに笑うその表情。
目に入るたび、眩しくて眩しくて、まるで僕の黒い部分がさらけ出されるようで
見るのが嫌だった。
ポッターやウィ―ズリ―、彼らが彼女のそばにいることに少しだけ胸が痛んだ。
別に僕のそばにいてほしいだとか、そんな変な感情ではなく。
なぜ、あのポッターの周りにはあのように人が集まるのか、
有益な存在、とは言い難いのも多いが、それでもまるで光に集まる蝶のように皆が皆彼の元を目指す。
その中に彼女もいたことが、少しだけ、さみしく感じたのだ。
あんな言葉を言おうと思っていたわけじゃない。
まるで自分の品位を貶めるようなことをしようと思っていたわけじゃない。
それでも、この口は、この体は思考は、感情を止められるほど大人でなく。
ごめんなんて、そんなこと口が裂けても言えないんだ。
嫌いじゃないのあなたのこと
しかたがなかったんだ
※※
ハーマイオ二―とドラコのイラストを見てたぎった。
この組み合わせは好きかも知れない。
二人ともまじめだからいいライバルになったはずなのになと。