太陽は闇に飲まれた。





 暗い暗い闇。深い深い闇。真っ暗な闇。ただそこにあるだけの俺。

                『さすけ!さすけ!』

  その闇に一筋の光が射した。

                『佐助、よく聞け

    闇に生きる俺にはまぶしすぎる光。

                 おぬしは、忍だ。

  闇から抜け出すことの出来ない俺には優しすぎる光。

                 だが、それと同時に

  闇に手を染める俺には不必要な光

                 某にとって、おぬしはなくてはならない

  心をひた隠しにする俺に  

                 大事な部下であるとともに

  感情を必死になくそうとする俺に 

                 某の唯一無二の理解者だ  

      その光は明るさを増し

                 それを

  俺の心を揺さぶる

                 忘れるでないぞ

  俺に居場所を与えてくれた

                 某を守ると言うのならば

  俺に存在理由を与えてくれた

                 某のいないところで

  そのあたたかな光は

                 勝手に死ぬのは

  ゆっくりと色を変え

                 許さぬ

  俺を浸食するその光は

                 佐助、

  ひときわ明るさを増して

                 生きよ』



   き え た



横たわる紅は量を増し闇を侵食する。

  瞳に浮かぶは狂気 

「・・・大将も旦那もほんとに忍び使いのあらいこって・・・」

  光を失った闇は 

 「・・・さーてお仕事お仕事・・・」

  あとはただ破滅の闇に向かうばかり