ドリーム小説
コンプレックスさえ魅力的 〜ティアと!〜
「って、結構小さいのね」
とある町。
ティアと共に買い出しを行っていれば突然彼女からもたらされた言葉。
それは一体何に対してなのだろうか。
思わず目の前にあったメロンをにらんでしまった。
「あ、身長の話よ?」
あわてて取り繕うようにもたらされたのは身長の話。
なんだ、と思いながらもそれはそれでちょっと不満だ。
背は、確かに高い方ではない。
むしろ、どちらかといえば、小さい方で。
パーティメンバーの中で言えばアニスの次くらいには小さい。
「ティアは高いよね・・・」
いいなあ。
言外にそんな感情を込めて言えば、ふんわり、ティアはきれいに笑った。
「小さくて、かわいいわ」
思わず口から漏れた、そんな感じでその単語は落とされて。
思わず、まっすぐにティアを見返してしまった。
「あ、その、ごめんなさい、」
あわてたようにティアはもごもごと弁解をはじめて。
「小さい、って、その、」
かわいい
自分よりも少しだけお姉さんだけれども、すごく、かわいい。
「ティアもかわいいよ」
ふにゃり、笑って言えばティアは驚いたように言葉を止めて。
そして、とても恥ずかしそうにはにかんだ。
「ありがとう、」
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