ドリーム小説







向かいの家のおうち事情  








 なじんだ



「沖矢さーん。肉じゃが作りすぎたんでお裾分けにきましたー」

「おや、さん。これはおいしそうですね、ありがとうございます。」

「あ、沖矢さんのところは今日はカレーですか!」

「ええ、よろしければご一緒にいかがですか?」

「わーい!よろこんでー!」


向かいの家に居候中の彼、沖矢昴。
初対面こそなんだこいつ状態だったが話してみるととても知識が深く、礼儀正しいひとで。
大学院生とのことだったけれど、なぜかいつも家にいる。
自宅警備員及び、仕事がPC関係のため引きこもりの私といい勝負だ。

「うわ、おいしい・・・」

一口食べて思わずつぶやけばにっこりとした笑顔が返ってきて。

「お口にあったようでよかったです。さんの肉じゃがもおいしいですよ。」

「ありがとうございます。え、ちょっとまって、これなんの肉使ってんの?めっちゃ肉汁あふれるジューシーなお高い味してんだけど・・・?」

「たまにはカレー用じゃないお肉を使ってみるのもいいかと思いまして。」

「ねえなんで沖矢さん大学院生なのに金持ってんの?ねえ」

「なんででしょうね。さんおかわりはどうですか?」

「もちろんいただきます」

色々と質問をしてもあっさりと話を逸らされる。
まあ別にそんなに知りたいわけでもないんでかまわないんだけれど。

「あ、お肉いっぱい欲しいです」

とりあえず、今はこの高級感あふれるカレーをおいしく食すのが使命だ。















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