ドリーム小説







向かいの家のおうち事情 ナイトメア4












てーまぱーく




「んで、なんでここなんですか・・・」

つい数時間前に意気揚々と逃げ出したこの場所。
だというのに、目の前には再度同じ場所

東都水族館

なんだ今日は一日この場所に縁がある日なのか・・・
暗くなってきた世界では昼間見たときとだいぶん雰囲気がかわるけれど、おかげさまでカップルの姿が増えた気もしている。

車に乗ったまま動く気配を見せない、横の赤井さんを見上げる。
バックには巨大な観覧車。

「・・・似合わない」

ぽつり、つぶやいた言葉は彼に届いたようで。

「子供っぽい君にはよくお似合いだな」

と返された、解せぬ!!
そのまま彼は後部座席に映していた私のPCを再度手に取り渡してきた。

「もうすぐこの場所に警察が来るだろう。奴らが連れている女性の動きを逐一報告して欲しい。また観覧車に近づく大きな物体があれば、それに対しても報告を。」

さらっと、さらっと言われたけれど、いつの間に私はこの人の作戦の中に練り込まれていたのだろうか。

拒否することはないけれど、少々不服に感じ、彼をみる。
と、

「頼りにしている」

初めて聞く殊勝な言葉。
さらにはいつもは鋭い瞳をかすかに細めて、信じているとばかりに頬を手の甲でなでられて。
ぎゅいん、とやる気が上昇した。

「仕方がないから、手を貸してあげますよ!」

頼られるならば、答えて見せよう!!
体中わき上がる興奮と熱。
それに気づいたように彼が笑うから。

その期待に応えないわけがない。

彼に近づくすべての悪しきものを、見つけだしてみせようじゃないか!!




彼が言ったとおり、警察の姿が現れて。
そこから連れ出されたのは昼間にみた銀髪がきれいな女性。
彼女を取り囲む形で数人が建物へと向かっていった。

「赤井さーん。言ってた人が中に入っていきましたよ」

渡されてた小型のインカムに向かって口を開く。
人数と共に伝えれば、了解という返事。

「ちなみに気のせいだと思いたいんですけど一応もういっこ報告を」

「なんだ」

「まだだいぶん遠くはあるんですけど、なんか、でっかいのんが空飛んでます」

気のせいだと思いたいほどにでかい存在。
いくつかの情報から得たのは、この場所に来る可能性の高さ。
やだなー、なにがおこるんだろーなー
そうは思うが、今の原動力である彼の期待を無碍にするわけには行かないから。

「・・・あれ、」

「どうした」

ぽつり、つぶやいただけなのに、それすら拾うのかこのインカム。
すげえな!

「気のせいだと思いたいんですけどね」

「さっきからそればっかりだな」

「子供くらいの人影が、4つほど・・・観覧車の中に」

「・・・なに?」

「ですから言ったじゃないですかー・・・気のせいだと思いたいって」

「そうか」

「あ、あと、ちょっと前なんですけど___人影がそっちの裏に入っていったんですよ、ね・・・」

「一人か?」

「ええ一人ですね。なーんか見覚えあるようなシルエットで___金色で褐色の肌、だった、ような・・・?」

瞬時、浮かんだ一人の姿。
いやいやいや、そんなまさか。

「ほお、安室君か」

あ、やっぱり?そんな気が若干してたけど!!


他にも何かあれば報告をそういわれて通信は一度とぎれた。
















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