ドリーム小説
魔法135
本部とやらに入った私を待ちかまえていたのは、苦しいまでの抱擁だった。
記憶の中よりも少しだけ大きくなった手とか
記憶の中よりもずっと伸びた身長とか
記憶の中よりもやさしくなった瞳とか
気づく変化はたくさんあったけれど
それでも、
あなたたちは記憶の中と同じように穏やかな声をあげる
あなたたちは記憶の中と同じように暖かな手のひらでふれる
あなたたちは記憶の中と同じように、笑う。
そして、私を抱きしめてくれる。
「、ぼくを、僕らを呼んで。」
ぎゅうぎゅうと、存在を確かめるかのように。
二人は自分たちよりずっと小さな私に、すがりつく。
「フレッド」
右の赤髪が肩をふるわせる。
「ジョージ」
左の赤髪がぐりぐりと頭を押しつけてくる。
ああ、心配かけたのだ、と思う
でも同時に私を記憶のはしにでも留めおいてくれことが、うれしくて。
そおっと、二人に手を回して、こちらから抱きつく。
そうするとこの双子は驚いたように体をふるわせるから。
知らず知らず、笑みが漏れて。
「がいないあいだにあったこと、たくさん話したい。」
「私も、二人のいろんな話を聞きたいです。」
フレッドが目元を柔らかく細めてそういってくれた。
くるり、鏡を反転させたような動作で。
双子は手を取り合って笑う。
私にすべてを見せびらかすように。
「ようこそ!!」
「おかえり!!」
同じ顔
同じ声
同じ色
けれど、少しだけ違うところをあわせ持つ双子は
私に満面の笑みをプレゼントしてくれた。
再会
大好きな友人と
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