ドリーム小説
魔法137
「ちゃん。動きが甘い。」
「っ、」
向かってくる睦月君からの攻撃を必死でよけて、でもそのたびに次の攻撃が向かってきて。
ここは、本部の一室。
睦月君が魔法で改造したこの場所は、外からはわからないけれど、魔法の掛け合いができるほどに広い。
その場所で、私は睦月君と魔法の練習をするわけで。
なぜか、理由はわからないけれど私も睦月君も、杖という媒介を通さずとも魔法が使えた。
あまり周りに知られていいことではないので、カモフラージュに杖を持ってはいるが。
睦月君から向けられる呪文は、すべて実践的なものばかり。
それだけで、彼が今までどんな状況で生きてきたかが伺えて。
「ほら、また思考がお留守だよ。」
「っわ、」
ぱしん、激しい音と共に体に衝撃が走った。
向けられていた呪文は失神呪文。
それでも、私の体には重たさを残すだけで。
呪文を受けぞこなっても、私の体はその力を吸収する。
そしていつの間にか自分の力として発することができる。
どう扱えばいいのかわからなかったそれらだけれど、睦月君と向かい合うことでなんとなく、前に進めているきもして。
ゆっくりと立ち上がって再度睦月君と向かい合う。
そうすれば彼の瞳はゆるやかに笑みを浮かべる。
「さて、行くよ。」
その言葉を合図に、再度呪文を放った。
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