ドリーム小説
魔法138
初めて目にしたときの感想はただ一つ格好いい。
それこそ、教授を好きだと明言する私だけれど、その格好よさにはため息がでて。
「」
優しく私を撫でてくれるその手のひらは、無条件ですべてをゆだねたくなる抱擁力をもっていて。
少しくたびれた服も、疲れたように見えるその表情も、彼の前では魅力になる。
「ビルって、とてもすてきですね。」
本人を前に、ぽろっ、とこぼした言葉。
それに対してビルはきょとんとした表情をして。
そして鮮やかに笑った。
双子の笑顔にさらに安心感を詰め込んだみたいな、すてきな表情で。
「ありがとう。はかわいいね。」
ずるい。
そう思わずにはいられない。
そんなことを言われたら、顔が赤くなるじゃないですか。
ぱたぱたと手で顔を仰ぎながら、何かの作業をしていたビルを眺める。
そうすると彼のそばにフラーさんがやってきて。
きれいだなあ、と思う。
それぞれ、単品でもきれいなのに二人そろったらそれこそ絵画みたいで。
騎士団のメンバーである二人は最近よくここにくる。
内容は教えてはもらえないけれど、とても忙しそうで。
それでも私の雑談につきあってくれるくらいに優しい。
睦月君も普段は双子のところに住み込んでいるし、ウィーズリー一家は自分たちの家に。
さらにそこにハリーやハーマイオニーもいるわけで。
普段ここにいるのはシリウスくらい。
けれど、私の中で彼に対する苦手意識は現存で。
用事を済ませたのか、二人は手を振ってここからでていく。
私はそれを見送ることしかできない。
寂しくなると、思い浮かべるのはいつも一人。
黒くはためくローブに不機嫌そうな表情。
でも、私をみるその瞳は柔らかくって。
ああ、寂しい
教授、あなたが足りないです。
back/
next
戻る