ドリーム小説








3





















「初めまして、セブルス・スネイプ教授。」


プラチナブロンドの髪を揺らして、少女は鮮やかに笑う。

マルフォイの名前を背負う少女はその名前にふさわしいまでの気高さと優雅さ。

そして、まったくもって不釣り合いの思想を持ち合わせていた。

「私は確かにルシウス・マルフォイの娘です。でも、思考までもあの人と同じだと思わないでください。」

初めまして、その挨拶の後に告げられた言葉たちに唖然としたのを覚えている。









目の前のソファにて優雅に紅茶を飲む少女。

名を、・マルフォイという。

その姿を見てまた一つ、セブルス・スネイプはため息をつく。

研究室に居座られるのにももうなれた。

何せ入学してからすぐに居座るようになったのだから。

はじめのうちは控えめに。

授業でわからないところを教えてほしい。

そんな名目で。

それはどんどん理由をなくしていき、今ではお茶が飲みたいから、ゆっくりしたいから、他の人に会いたくないから、など。

スネイプにとっては迷惑以外の何者でもないものに姿を変えていた。

しかしながらスネイプにとってそれが不愉快なわけではなく、今では彼にとってもこの状態が”通常”であると錯覚するまでに至った。


スネイプ教授

その呼び方は今ではセブルスに変わり。

Msマルフォイ

その呼び方もに落ち着くほどには、関係も変化して。



「セブルス。」

猫舌な彼女は紅茶を少しずつしか飲めない。

それでも熱い方が好きらしく、たっぷりと時間をかけてそれを口に入れていく。

それに疲れたのだろう。

呼ばれた名前。

返事を求めない呼びかけに目線だけをやれば、ふわり、笑み。

「愛しの我が弟に会ってきたよ。」

いつもとは違う話し方。

ここだけでは猫を脱ぐんだ、そう言って彼女は笑う。

「スリザリン生らしく、グリフィンドールをけなしていたね。」

くすくすと笑うその様は、きっとスネイプ以外誰も知らない笑い方。

「でも素直なあの子は私を忘れてはいなかったよ。」

入学してから、しばらく接触しなかった。

実質的には、二年。

ほとんど関わらなかった。

ドラコがという存在なしでどのように毎日を過ごすのか、知りたかったから。

でも、そろそろいいか、とは感じて。

そっと、優しい姉を演じて弟の前に姿を現した。

「獅子寮の少女にはいた暴言をとがめたら、あっさりと謝罪を口から出した。」

素直で、とてもかわいい弟は、演じるのもとても上手で。

「あの子は私が育てた。」

離れがちな両親の変わりに、いつだって側にいて。

そうして植え込んだ、純血への反感。

それは確かに彼の中に芽吹いて。

「これからもあの子は私と共にある」

上手な仮面のかぶり方だって、ちゃんと教えた。

周りとうまくつきあいながら、それでも自分の心をもて、と。

スリザリンらしく、狡猾に。

獅子寮をけなしながら、心の中では自寮も認めはしない。


「その道が、正しいと?」


黙って聞いているだけだったスネイプが一言、言葉を放つ。

それに対してくつり、はまた、笑う。


「恐怖で支配する道なんて、嫌いよ。自分で引き起こしたことを、それらのせいにして逃げるなんて、バカみたい。」


闇の帝王を筆頭に作り上げられる世界。

殺した理由も、殺されるわけも、従う意味も、恐怖につながるなんて、つまらない。


「私は闇でも光でもどっちでもいいのよ」

ただ、最初から一つの選択肢しかないなんて、許せない。

選択の自由を、あの子に


「正しいか正しくないかなんて、どうでもいい」


柔らかな、プラチナブランドがの脳裏をよぎる。

愛しくて、かわいくて、大好きな、弟の姿。


「私は、あの子に素直に生きてほしいの」


きれいな場所に居続けてほしい訳じゃない

ただ、あの子が望まぬ道を生きることが許せないだけ。




※※※
つきあってはいないけれど、互いに思い合ってはいる。
セブルス→生徒だし、自分はまだ闇の陣営に所属して居るっちゃあ所属しているし、的な
→先生だしな。後数年待たなきゃな。
     自分はマルフォイだし、セブルス嫌だろうな。
     だって、義理の父が元先輩になるっていうね。



























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