ドリーム小説
4
「忌々しい」
セブルスの声に、思わず笑みが漏れる。
だってその表情は確かにそんな色を醸し出しているけれど、言葉には多少の安堵が含まれているのだから。
シリウス・ブラック
ポッター夫妻の殺人罪で捕らわれていた彼が脱走。
後、ホグワーツに進入。
それを捕らえたはずが、なぜかいない。
はらわたが煮えくり返る、そんな表現がとてもよく似合う。
しかしながら、言葉尻に見える色。
セブルス・スネイプ、その人は、見た目によらず人がいい。
捕まらなかった、ことに多少なりとも安堵をみせているのだから。
嫌いだ、とそうこぼしていたのを知っている。
憎い、とも。
でも、捕まえたとき、瞬時、迷いを見せたのも知っている。
「なにがおかしい。」
の笑い声にさらに眉間にはいる皺。
怖い顔がさらに悪化。
でも、愛しい、とは感じる。
「なんにも。」
返事に納得しないセブルスは、けれどもそれ以上を追求することなく。
ため息をついて、またつぶやいた。
「本当に、忌々しい。」
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