ドリーム小説








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「忌々しい」



セブルスの声に、思わず笑みが漏れる。

だってその表情は確かにそんな色を醸し出しているけれど、言葉には多少の安堵が含まれているのだから。


シリウス・ブラック


ポッター夫妻の殺人罪で捕らわれていた彼が脱走。

後、ホグワーツに進入。

それを捕らえたはずが、なぜかいない。


はらわたが煮えくり返る、そんな表現がとてもよく似合う。

しかしながら、言葉尻に見える色。

セブルス・スネイプ、その人は、見た目によらず人がいい。


捕まらなかった、ことに多少なりとも安堵をみせているのだから。





嫌いだ、とそうこぼしていたのを知っている。

憎い、とも。

でも、捕まえたとき、瞬時、迷いを見せたのも知っている。




「なにがおかしい。」


の笑い声にさらに眉間にはいる皺。

怖い顔がさらに悪化。

でも、愛しい、とは感じる。



「なんにも。」


返事に納得しないセブルスは、けれどもそれ以上を追求することなく。

ため息をついて、またつぶやいた。



「本当に、忌々しい。」






























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