ドリーム小説
BASARA1
(・・・ここどこ?)
それがそこで初めて思ったことだった。
いつもと変わらない放課後。いつもならすでに帰宅している時刻。はそこにいた。
『すまんな。いつもは日直にやってもらうんだが、あいにく逃げられてな!』
授業も終わり、さあ帰ろうとが帰り支度をしているときだった。
ふと視線を感じて、顔を上げた。それが運のツキだった。
満面の笑みを浮かべる担任で、従兄弟でもある、結城巴夜深(ユウキハヤミ)に膨大な量の仕事をおしつけられた。
いくら、直に逃げられたからといって、この量はないだろう。顔を引きつらせていたのそばから、笑顔のまま友人たちが離れていく。
「・・薄情者・・・」
恨みがましくつぶやくに激励の言葉をかけて友人たちは帰っていった。
「このままじゃ帰れないし・・仕方ない早く終わらせて帰ろう。」
一つため息を吐きは任せられた仕事を始めた。
そうして、気づけば、あたりは暗くおまけとばかりに雨まで降り出した。
朝は晴れていたし、予報も雨などといっていなかった。
・・・つまり、は傘などもっていないのだ。
「・・・最悪・・だね。」
まだ小降りだ。今のうちに帰ってしまおう。そう思うとはかばんを頭にかぶせるようにして走り出した。
走るうちにどんどん雨が強くなる。さらには、雷までなりだした。
不幸中の幸いというかは、雷は苦手ではない。ので、雷におびえることはなく走り続けた。
・ ・・が、はもともと体力があるほうではない。すぐに息が切れてくる。
雨は激しくなるばかり。
(仕方ない・・・休憩をかねた、雨宿り、しよう。)
そう考えあたりを見渡すが、あたりには雨宿りできそうな建物はない。なのでは危ないとわかっていながらも、近くの木の下へ避難した。
「びちょびちょ・・・」
絞れば水が出てくるほどずぶぬれだ。
もうこれだけぬれたんだ、後はどれほど濡れてもいっしょか。
ぼうとした頭でそう考えていると、いきなり激しい光が辺りを包み、さらには轟音が響く。
身体中に何かが走った感覚を最後にの意識は薄れていった。
そうして目が覚めるとそこは見知らぬ場所でした。
「ここ・・・どこ・・・」
先ほど思っていたことを、口に出していってみるが当たり前というか、返事はなかった。
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