ドリーム小説
配達ギルドのあれこれ
目的の一部だった夫婦を見つけだしてすぐ、響いた何かの鳴き声。
それに反応した面々は、その声の元へ進むことを決めて。
向かった先には夜と昼を操る見たことのない魔物。
苦戦する皆。
私は夫婦と共に皆の戦いを見守ることしかできない。
からくも勝利を収めたけれども、慣れない砂漠での長時間の先頭は被害も大きく、一人、また一人と倒れていく。
隣の夫婦でさえも崩れ落ちてしまって。
どうしようかとユーリさんたちに近づいていけば、上から羽ばたくような音。
空から現れたのは__
「きれぇ」
紅を纏った大きな魔物。
まっすぐにこちらを見つめてくるそれに、威圧感は感じても、恐怖には至らなくて。
「オマエハ、ナンダ」
地の底から響いてくるような、声。
不思議な質問をするものだ。
私が何か、だとか。
私は私で、何も変わってなどいない。
変わったのは__世界のほうだ。
「あなたは、私を知っていますか?」
「オマエノヨウナ、エアルヲモタナイ、ソンザイナド」
しらない。
そう言われるのはわかっていたけれど。
「ですよねぇ」
落胆は否めない。
私を、知っているかもしれない存在など、この世界にはないと言うのに
みっともなくも足掻こうとする私が、まだいる。
降り立った魔物はとても大きくて、そのまま皆をぱくりと食べられそうな大きさで。
__だというのに、なぜか不安は感じなくて。
「魔物さんにお願いなんですけどねぇ」
こんなこと頼むのもどうかとは思うのだが__今の私には他に方法がない。
「この人たちを安全なところに運ぶのを手伝ってくれないですか?」
配達ギルドと喋る魔物
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