ドリーム小説
配達ギルドのあれこれ
灼熱の太陽、乾いた世界。
さんさんと降り注ぐ熱が体力をぐんぐんと奪っていく。
__そんな中、モルディオさんが耐えきれない、とばかりに声を上げた。
「なんで、あんたら、そんなに元気なわけ!?」
深くかぶったフードの下、信じられない、とばかりに向けられる声。
同意するように、カロル君が、エステルさんが、ラピードが声を上げる。
向けられているのは、私とレイヴンさんだろう。
レイヴンさんは、何でかしらない。
ぶっちゃけ砂漠で宙返りする元気がある意味が分からない。
ただまあ、私は何でって言われたら__
「我が配達ギルドの首領による発明品、温度調節君を持ってるからですねぇ」
私の言葉に、モルディオさんが全力で詰め寄ってきた。
「なによそれ、見せなさいよ!」
「ごめんねぇ、ギルドの秘密なんです〜」
体感温度を一定に保ち、快適に過ごせる魔導器。
砂漠でも、氷の上でも、問題なく配達物をお届けできる魔導器だ。
「あんたんとこのギルド、なんなの!?努力の方向性間違ってない!?」
ひどいなぁ、モルディオさん。
「いかにして快適迅速にお届けできるか、っていうところに心身を注いだ結果ですねぇ」
「いかにしてさぼるか、って模索した結果みたいだな」
ユーリさん、黙ろうか。
努力の結晶と言ってほしい__私の知識や発想がいかに役にたったのか、懇々と説明してもいいんですよ?。
「その鞄も小さい割にいっぱいはいってるよね」
「そうそう。いっぱいはいるし、中の温度は一定だから、劣化したりもないうえに、重さを感じさせない。すごいでしょ?」
形は僕の鞄とお揃いだねぇ、とカロル君が言うものだから、ふにゃりと笑いあう。
「質量保存の法則とかまるっと無視してんじゃないわよ!!」
モルディオさんあんまり興奮すると体力使っちゃいますよ。
「あと、配達ギルドと一緒に行動してると、魔物あんまり襲ってこない気がします」
エステルさんが不思議そうに聞いてきた。
「ああ、携帯結界魔導器の結果だねぇ」
「持ち運べる結界魔導器、ってことかしら」
ジュディスさんが興味津々で入り込んできた。
あ、マントの上からもスタイルいいのわかりますね!!
「範囲は狭いので人二人分くらいしかカバーはできないですけどね」
「あなたが戦えないのに一人旅ができるのはそういう理由ね」
にっこり笑顔、ごちそうさまです!!
「お嬢のところ、まだおもしろい魔導器開発してるわよね」
レイヴンさんが近くにあったサボテンから皆の水筒に水を補給しながら聞いてきた。
「あとは、通信魔導器ですかぁ?」
「確か遠くの人と話ができるんだっけ?」
「なによそれ・・・・・・!ねえ、本当あんたのところの首領と話しさせなさいよ」
まあ機会があれば、お話ししてください、ぜひ。
配達ギルドと発明魔導器
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