ドリーム小説
配達ギルドのあれこれ
「なんか久しぶりだな、これ」
「なんでこんなにタイミングかぶるの??」
アスピオによってから次の目的地に向かおう、そう思って中に入れば、そこにはいつものメンバー。
配達ギルド!とカロル君に指をさされ、パティちゃんに飛びつかれて。
「お嬢、これからクリティア族の町にいくんだけど、行く?」
そんな発言をしたのは、レイヴンさん。
クリティア族の町。
それは、どう考えても行ったことのない場所だろう。
しかしながらそんなに簡単に部外者を入れてもいいのだろうか。
ジュディスさんに視線を向ければ、柔らかく頷かれて。
急遽、クリティア族の町へと一緒に行動することになった。
エゴソーの森での戦いを終えて、無事にクリティア族の町、ミョルゾへたどり着く。
長老さんとお話しする、という彼らをそのままに、一人で巡る町。
魔導器を放棄したその町は、穏やかな、どこか浮世絵離れした雰囲気が漂っていて。
見た目はジュディスさんに似た人がたくさんいるが、お話をしてみればジュディスさんほど積極性を見せる人はおらず。
そこには、地上とは異なる世界が広がっていて。
__けれど、私の世界ともまた違うその場所。
やはりこの場所でも私の世界への帰り方は、見つかりそうもない。
一通り見て回り、収穫がないことを判断する。
さてどうしよう。
彼らと合流するか。
船の近くまで引き返して、入り口近くの放棄された魔導器をぼおっと眺める。
正直、私には彼らと共に行動する必要など、ないのだ。
私は任された仕事がある。
ただ、私の捜し物のために動きを同じくしていただけで。
「っ、あ、」
後ろから聞こえてきた声。
それは桃色を宿すお姫様のもの。
私を見つけて、戸惑ったように足を止めた。
そして、その後ろゆっくりとお姫様との距離をつめるのは__驚くほどに感情のない瞳をもった、レイヴンさんだ。
近づいてきたレイヴンさんは、気づいたお姫様に柔らかくほほえんで、ごめんね、と謝った。
そうしてお姫様の体は崩れ落ちて。
「ね、お嬢。配達ギルドのお仕事、お願いしても?」
ゆっくりと感情のない瞳をこちらに向けて、お姫様を抱えなおして、彼は私に問いかけた。
「__もちろんです。レイヴンさんなら、特別料金でお受けしちゃいますねぇ」
私の返事に、彼は、いびつに笑った。
「エステリーゼ姫を、アレクセイ騎士団長のところへ」
冷たい声で告げた、シュヴァーンさんににっこりと応えた。
配達ギルドとエステリーゼ姫
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